菅首相が退任、次期首相に果たしてほしい「説明責任」

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菅義偉首相は、自民党総裁選挙に立候補しないと表明した。9月末の総裁の任期満了に伴い、首相を退任する。感染が拡大する新型コロナウイルス対応への国民の不満から内閣支持率が下落。衆院選を控え、党内の支持が広がらず、総裁選への出馬を断念した。2020年9月16日に発足した菅政権は1年あまりで退陣する。

菅政権は発足直後、50年までのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現を目標に掲げ、気候変動対策で先鞭(せんべん)をつけたほか、1日にデジタル庁を発足させるなど、デジタル化を推進した。こうした政策は次期政権に引き継がれる。

17日告示、29日投開票の総裁選は混戦模様だ。すでに出馬表明している岸田文雄前政務調査会長のほか、河野太郎規制改革担当相、高市早苗前総務相が出馬の意向を固めた。石破茂元幹事長らも出馬を検討している。首相指名の臨時国会は10月初旬に開かれ、新内閣が発足。衆院選は10月21日の任期満了後の11月にずれ込む見通しだ。

日本経済は持ち直しの動きが続くが、新型コロナの影響が長期化している。次期首相は新型コロナ対策に万全を期すとともに、冷え込んだ景気の回復とアフターコロナを見据えた経済政策で、リーダーシップを発揮することが求められている。

日刊工業新聞2021年9月6日

COMMENT

志田義寧
北陸大
准教授兼経済ジャーナリスト

次期首相に誰が相応しいか、ここでは触れないでおくが、一つだけ注文がある。国のトップとして説明責任をしっかり果たしてほしいということだ。菅義偉首相の記者会見では「更問い(さらとい)」(追加質問)を認めず、質問にも正面から答えない場面が目立った。原稿の棒読みや読み間違えも散見され、もはや説明も、自らの言葉で語ることも放棄したのではないか、そう思ったほどだ。総裁選への不出馬を表明した後のぶら下がり取材もわずか2分で一方的に打ち切った。官房長官時代から続く木で鼻をくくったような対応が、今日の事態を招いたのではないのか。かみ合わないやりとりはもううんざりだ。次期首相は国民の声にしっかりと向き合い、「対話」を深めてほしい。

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