スーパーでセミセルフレジの実験導入が相次ぐ

店員と顧客で決済分業。人手不足の解消にも一役?

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スキャンは店員、会計機での支払いは顧客が
 スーパーのレジのスタイルは変わるか―。スーパーのレジ決済は従業員が商品スキャンから金銭授受までをこなすスタイルが主流。だが、ここに来て商品スキャンと金銭授受を分け顧客自身が決済する〝セミセルフレジ〟の導入が始まった。スーパーではこれまで顧客自身がスキャンから決済までやるフルセルフ型の導入が進んだが、人手不足が深刻化するなか、スピードアップ可能な新たなセミセルフ型の登場でレジスタイルが変わる可能性も浮上してきた。

 「セミセルフ型はフルセルフ型よりも効率がいい」(いなげや)。セミセルフ型レジを導入したスーパーではこう口をそろえる。セミ型レジは商品スキャン部と会計機がセパレートになっており、商品スキャンは従業員、会計機による決済は顧客自身で行う。

 従業員がスキャンから決済まで行う従来のレジ方式に比べ、セミセルフ型は商品スキャンに習熟した従業員がスキャンをするため「1・3―1・4倍スピードが上がる」(各社)。つまり従来比でレジ時間が半減近く短縮される格好だ。そのため関係者は「今後、導入店は増えるだろう」とみる。

 すでにマルエツが10店で実験を始めたほか、いなげやが計6店、イオンも3店で実験を始めている。いなげやはそれまであったフル型からの全面的に切り替えるという力の入れようだし、地方の中堅・中小のスーパーも導入するところが出てきた。

 ただ、「(セミセルフ型もフルセルフ型も)一長一短がある」というのはイオンだ。イオンではフルセルフ型を約230店に導入しているが、「買い上げ点数が少ない場合はフルセルフ型に軍配が上がる」という。

 逆にフルセルフ型は顧客自身がスキャンするため、「バーコードを探したり、商品袋に印刷されていない生鮮食品などはモニターで商品を探さなければならない」(食品スーパー)など時間がかかる面は否定できない。

 このため、イオンでは立地や店舗面積の広さ、商圏に高齢者が多いか少ないかなど、状況に応じてセミセルフ型、フルセルフ型、さらに従来スタイルのレジ方式の導入台数を変えていく方針。顧客が自分にあったレジスタイルを選択できるようにするとしている。

 スーパーは人手不足が深刻、とくにレジ要員の確保は難しいという声も聞かれる。生産性向上という意味ではセミセルフ型に軍配が上がるが、高齢者はこれまで通り従業員がすべてやってほしいと思う人も少なくないという指摘もある。セミセルフ型か、フルセルフ型か、従来方式か。ただ今後、試行錯誤を通じてレジの風景が確実に変ることになりそうだ。

日刊工業新聞2015年12月4日生活面

COMMENT

 レジ決済のスピードアップは顧客にとっても、人手不足に悩む店舗にとっても好都合です。セミセルフは一応、両者を満足させるツールです。しかし、高齢化社会に突入したなかでスキャンから金銭授受までフルサービスを望む顧客もまだ多いとみられます。サービスレベルを維持しながら、コストダウンを図るというレジ改革の模索は続きそうです。

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