今後3年間も10%成長。村田製作所、IoT市場でも優位動かずか

市場の成長という成り行きによるものか、自らの努力によるものか?「両方ある」(村田社長)

 村田製作所は2018年度に向けて、引き続き年率5―10%の売上高の拡大を予想している。足下はスマートフォン市場での高速無線通信「LTE」の普及拡大がけん引し、中期的には自動車や医療、エネルギーなどの分野で事業が拡大している。そして長期的にはモノのインターネット(IoT)が大きなビジネスチャンスになるというシナリオだ。

 村田恒夫社長は2日、都内で開いた事業説明会で「インターネットにつながるデバイスは2020年に500億個に達する。そこでは通信やセンサーで村田製作所の強みを生かせる」と期待を示した。

18年度に向け新たに設定した経営目標では、売上高の成長率に加えて営業利益率20%以上と新製品の売上高比率40%以上を掲げている。ただどちらも15年度の業績見通しではすでにクリア(営業利益率22.7%、新製品比率40%以上)している。
 
 中国経済の成長鈍化などマイナス材料はあるものの、同社の見通しに悲観的なムードはない。その背景には、スマホ向け事業と自動車向け事業が堅調そのものという自信がある。スマホではLTE化が今後も大きく進展し、「2018年度には(スマホの)80%を占める」(村田社長)と予想。積層セラミックコンデンサー(MLCC)や表面弾性波(SAW)フィルターの搭載個数が、第3世代(3G)で100~200個だったのが、LTEでは500~800個へと飛躍的に増加する。

 「16年度はスマホ1台に搭載される部品の数が10―20%増える」(同)というように、スマホ市場の成長が少々鈍化したところで、補って余りあるほどの部品需要が期待できる。さらに村田製作所が「50%以上のシェア」(同)を握る0402サイズや0603サイズといった超小型部品が今後は主流となっていく。
 
 一方で今後の成長を期待する自動車向けでも「毎年2ケタ以上の伸び。5年間で売上高は2倍になった」(同)と勢いは止まらない。そしてIoT市場。ここで村田製作所がどれだけ成長を取り込めるかは分からないが、通信に必要なキーデバイスを抑え、小型化でもリードする同社の位置は悪くない。

日刊工業新聞2015年12月3日3面記事に加筆

尾本 憲由

尾本 憲由
12月03日
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なかなか死角が見つからない村田製作所だが、説明会でのあるアナリストの質問が印象的だった。好調な業績が「市場の成長という成り行きによるものか、自らの努力によるものか」というもの。現在のシェアの高さは、同社の技術開発や営業努力、生産力の賜ではあるが、市場の追い風も無視できないのは確か。「両方ある」という村田社長の答えもまた正直そのものだった。将来を見据えれば、昨年のペレグリンなどM&Aで手に入れた事業をどれだけうまく生かしていくことができるかが、今後の自力による成長のカギとなるのだろう。

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