東芝が業界最速で達成。「固体絶縁開閉装置」納入数が2000面に
東芝は温室効果の高い六フッ化硫黄(SF6)ガスを使わない受配電向け固体絶縁開閉装置(スイッチギヤ)の累計納入数2000面を達成した。業界最速だという。2002年に世界で初めて1号機を発売して以来、ビルや工場など需要家側に多く設置されてきた。今後も安心・安全とともに企業などのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現を後押しする。
子会社の東芝インフラシステムズ(川崎市幸区)が手がける固体絶縁開閉装置は、絶縁材料に採用した高性能のエポキシ樹脂で主回路充電部を覆う仕組みだ。同社は定格電圧24キロ―84キロボルトのフルラインアップをそろえる世界唯一のメーカーという。これまでに日本やインド、タジキスタンなどで納入実績がある。
温暖化係数が二酸化炭素の2万3500倍のSF6ガスや他の絶縁ガスなどを使う場合は筐(きょう)体内の圧力管理が必要なほか、構造も複雑になりやすい。固体絶縁方式は主要部分を樹脂で覆うため、作業員などが万が一触れてしまっても安全だという。割れやすい真空バルブの外装などを包む樹脂成形技術が課題だったが、新素材を開発して商品化にこぎ着けた。
同社は今後、従来品と比べてまだ割高な72キロボルトや84キロボルト品における標準化とコスト削減に力を入れる方針だ。
日刊工業新聞2021年8月2日