学部生の「学生職員」が大学経営に関与!上智大の狙い
上智大学は8月にサステナビリティー(持続可能性)推進に関する企画立案など大学経営に直接関わる学生職員を学部生から雇用する。大学は自由な発想を持つ学生の意見を取り入れることで情報発信力を強化し、学生は大学運営に主体的に関わることで経営やビジネスの視点を養う。試験監督の補助といった事務支援で学生を職員として雇用した事例はあるが、経営に関わる業務が中心となる雇用は他大学をみても珍しい。
上智大は7月1日付で「サステナビリティ推進本部」を立ち上げる。既存の学生職員制度を活用し、同推進本部が8月1日付で学部生を臨時職員として10人程度採用する。学内向けの説明会を30日から始め、7月中旬に書類選考と面接を行う。
採用された学生職員は同推進本部で主に企画立案や広報、調査などの実務を担う。シフトを組んで週10―15時間程度常駐し、専任職員3人とともに業務を行う。給与は時給制で学内規定に準じる。単年度契約だが、更新の相談にも応じる。
同推進本部は総務局の広報グループや財務局管財グループ、学生局の学生センターなどの横断組織。サステナビリティーに関する教育や研究から社会貢献、経営判断に至るまで議論する。曄道(てるみち)佳明学長と同大を経営する上智学院のサリ・アガスティン総務担当理事が主導する。
学内各局にサステナビリティー関連業務の専任担当者を置き、本部との連絡窓口とする。今後は上智学院が運営する上智大学短期大学部や、中学校・高校にも同様の取り組みを広げる計画だ。
日刊工業新聞2021年6月30日