水上ドローンがカモを追跡?!環境にやさしい食害対策がすごい
阿南工業高等専門学校の川畑成之准教授らの研究グループは、カモを認識して追跡する水上ドローンを開発した(写真=同校提供)。農場で栽培中のレンコンをカモの食害から守るのに使う。農場に網を張ると飛来した水鳥が絡まって死んでしまうため、野生動物保護の観点から問題があった。水上ドローンがカモを認識して追い払えると環境にやさしい食害対策になる。
人がいない夜間にカモの食害を防ぐ。推進機構には静かなウオータージェットを採用した。レンコンの農場は水深5センチメートル程度のため、スクリュー式の機体だと水草を巻き込んでしまうといった問題があった。ウオータージェットは機体の喫水線を深く取れなくても推進力を確保できる。
カモの検出には物体認識エンジン「YOLO」を利用した。モノクロに画像処理したカモの画像100枚を学習させ、認識率約7割を得た。カメラでカモを検出すると画角内の位置座標を計算して近づく。カメラの向きと船首の向きを計算し、カモがカメラの画角に収まるように進む。
疑似的に水上ドローンにカモを見せ、カメラを追従させるところまで実証した。今後、日暮れから夜明け過ぎまで稼働できるようにする。
日刊工業新聞2021年6月22日