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13年度の温室ガス排出量、1.2%増―過去2番目の水準

 環境省は14日、2013年度の温室効果ガス排出量(確報値)が前年度比1・2%増の14億800万トンだったと発表した。原子力発電所の稼働停止に伴う火力発電所の石炭消費が増え続けたほか、オフィスを中心とする「業務その他部門」で電力や石油製品の消費増により、エネルギー起源の二酸化炭素(CO2)排出量が増加した。過去最大だった07年度の14億1200トンに次ぐ2番目の水準。京都議定書の基準年度とされた90年度比で10・8%増、05年度比で0・8%増となる。

 総排出量のうちCO2が93・1%を占める。その部門別内訳は、工場など「産業部門」が同0・6ポイント減の34・8%、商業・サービス・事業所など「業務その他部門」が同1・8ポイント増の22・6%、自動車交通など「運輸部門」が同0・3ポイント減の18・2%、家庭部門が同0・4ポイント減の16・3%、発電所など「エネルギー転換部門」が同0・4ポイント減の8・2%だった。同省が14年12月に発表した13年度の速報値は、同1・6%増の13億9500万トンとされ、07年度を上回る過去最大の数値だった。

 だが、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の報告ガイドラインで「抜本的な変更」(地球環境局)があり、07年度も含めすべての統計が見直されて過去2番目の水準となった。同省では省エネの推進や再生可能エネルギーの導入努力が必要としている。
日刊工業新聞2015年04月15日 総合2/国際面
坂口孝則
坂口孝則 Sasaguchi Takanori 未来調達研究所
不景気の09年がもっともすぐれていたという皮肉。生産回帰歓迎論者は原子力発電再開の逡巡の前に温室効果ガス対策をどう考えるべきか。

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