「就活」やっと決着。経済界、大学それぞれの言い分

ころころ変わる選考時期は誰のせい?

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 経団連は20日、大学生の面接など採用選考の解禁日について、現行の8月1日から2カ月前倒しし、2016年は6月1日に変更することを正式に決めた。解禁日のルールは今年から変更されたばかりで、2年連続で変わるのは異例だ。経済界と大学側が対立してきた大企業の採用日程変更問題は、やっと決着した。17年3月卒業の大学生が対象になる。会社説明会の3月開始は変えない。

 経団連の榊原定征会長は20日記者会見し、「就職活動の長期化が学業に悪影響を及ぼしたのは明らかだ」と強調。6月への前倒しに反対する大学側の要望を踏まえ、学業などへの配慮を「採用指針」に盛り込むことも併せて決定した。

 今年の就活日程は、学生の学習時間確保や留学促進を目指す政府からの要請を受け、会社説明会を3年生の12月から翌年3月に、面接などの解禁時期を4年生の4月から8月に変更。ただ、抜け駆けする企業が相次いだほか、就活の長期化を招いたとして、批判が出ていた。このため、経団連は1年限りで見直し、6月に前倒しする方向で検討してきた。

「6月解禁」大学側も容認。学業に配慮条件


 2016年の就職活動で経団連が面接などの解禁時期を6月に早める方針を打ち出したことについて、大学や短大などでつくる就職問題懇談会(吉岡知哉座長=立教大総長)は20日、前倒しする場合は学業に十分な配慮を求めることを決めた。吉岡座長は記者会見し、「授業や試験などへの影響は大きく、受け入れにはためらいがある。ただ、最終的には企業が決めることだ」と事実上容認する考えを示した。

 15年の就活日程は、学生の学習時間確保や留学促進を目指す政府の要請で、解禁時期が4月から8月に繰り下げられた。だが抜け駆けする企業が相次ぎ、就活の長期化も招いたため、経団連は1年限りで見直しを決めた。

 吉岡座長は「解禁前に採用を始めた企業が多く、4年生のほぼ1学期が活動期間になった」と指摘。学生や企業の混乱や負担増を認めた上で「開始時期が守られない状況では、繰り下げが原因かどうかの検証もできない」と述べた。

日刊工業新聞2015年11月23日付3面

COMMENT

神崎明子
東京支社
編集委員

経団連の榊原定征会長は記者会見で、そもそも今年の「8月解禁」について「経団連内部で当時から問題点を指摘する声はあった」としたうえであくまで「政府からの要請に対応したもの」との立場を強調しています。一方、菅義偉官房長官は、「政府は何もしていない」として、経済界と大学側で議論するべきとの立場だ。 4月→8月→6月と選考開始時期が毎年変わる異例の事態で、あおりを受けるのは学生。経済界も政府もあまりに無責任ではないか。

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