不透明な大手自動車の業績、利益を押し下げるのは先行投資か半導体かそれとも…

貴金属高騰のリスクも

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まだら模様の自動車業績(写真はトヨタ自動車の豊田章男社長、トヨタ公式ツイッターより)

乗用車メーカー7社の2022年3月期連結営業利益見通しはまだら模様となりそうだ。トヨタ自動車など3社は増益、ホンダは横ばいを予想する。三菱自動車は黒字転換を計画し、営業赤字だった日産自動車は赤字幅の縮小を見込む。コロナ禍からの回復需要を取り込む一方、電動化など研究開発投資は継続して増加。原材料価格の上昇や半導体不足も利益を押し下げる。体質改善などで次世代技術への投資余力を確保できるかが成長を左右する。

「電動車、工場の二酸化炭素(CO2)削減の取り組み、ソフトウエア開発、コネクテッドなど全般に投資をしている」。トヨタの近健太執行役員は22年3月期に過去最高を見込む研究開発投資の内訳をこう説明する。

通期見通しを未定としたスズキを除く6社合計の22年3月期の研究開発費は前期比6・8%増の2兆8870億円の見込み。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)関連の投資が増加する。過去最高の研究開発投資を計画するホンダの竹内弘平専務取締役は「既存のエンジンを使っている商品から、電動化や安全技術に相当シフトした結果」と述べた。

一方、貴金属の高騰も収益を下押しする。SUBARU(スバル)やマツダは22年3月期に原材料価格の高騰などで約600億円の営業減益影響を見込む。中でもガソリン車の触媒に使うパラジウムは排ガス規制の強化で19年以降需要が拡大しているとされる。藤本哲也マツダ常務執行役員は「20年3月から1年で約3倍に価格が高騰している」と話す。

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半導体の供給不足は3月のルネサスエレクトロニクスの工場火災などで不透明感が増している。日産自動車は22年3月期に50万台規模の減産影響を予想。アシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)は「主要因はルネサスの火災。(同社の)工場は想定以上に早く復旧し、下期に影響の半分は挽回できる」と説明する一方で、半導体需給の厳しさには「向こう1年間影響を受けると思う」とした。


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