JT、自販機事業の売却検討―飲料3社が関心、変わる?業界勢力図

「ライバルメーカーにさらわれると自販機戦略に重大な支障」

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JTは自販機運営事業の売却を検討
 日本たばこ産業(JT)が売却を検討している自動販売機運営事業に、サントリー食品インターナショナル、アサヒ飲料、キリンビバレッジの3社が関心を示している。JTが子会社を通じて運営する自販機の台数は全国で約26万台。80万台以上の日本コカ・コーラグループ、約49万台のサントリー食品インターナショナルに続き、アサヒ飲料やダイドードリンコ、キリンビバレッジと並ぶ3位グループにあり、業界勢力図を変える可能性を秘めている。

 「JTから申し出があれば自販機事業の買収は検討する」。サントリー食品インターナショナルの鳥井信宏社長は、JTの自販機事業買収の可能性を否定していない。同社の自販機にJTの自販機が加われば台数は80万台に近づき、コカ・コーラに肉薄する。
 アサヒ飲料やキリンビバレッジも事情は同じ。アサヒ飲料の岸上克彦社長は「3位グループから抜けだし、2強グループに入りたい」とする。同社とJTの自販機を合算すると台数は50万台強とサントリーを超える。キリンビバレッジもJTの台数を合算すると50万台弱と、2強グループに入る。
 アサヒ飲料は3月に大塚製薬グループと自販機で提携したが、大塚の商品はスポーツ飲料の「ポカリスエット」をはじめ、アサヒ商品と競合が少なく、相互補完関係が成り立つ。JTはブランド力のある「桃の天然水」と、缶コーヒーの「ルーツ」などの飲料製販から撤退予定で、3社のどこが買収しても大きな障害にはならない。

 各社がJT自販機に関心を示すのは台数の多さに加え、地方も含めた全国まんべんなく自販機網を持つため。ある業界関係者は「JTの飲料ブランドには特に魅力を感じないが、ライバルメーカーにさらわれると自販機戦略に重大な支障を来す」と話す。

 都市部では自販機は飽和状態だが、地方では自販機がインフラになっている例も多く、安定収入が見込める。コンビニエンスストアの100円入れたてコーヒーとの競合やスーパーなどでの安売りにさらされる中、定価に近い価格で売れる自販機チャンネルは魅力だ。

日刊工業新聞2015年04月15日 建設・エネルギー・生活面

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昆梓紗
デジタルメディア局DX編集部
記者

JTは飲料製品の製造・販売を、2015年9月末に終了予定。都心部の自販機は飽和状態で、定価で商品を販売できるという強みに対しても、最近は値段を安く販売している自販機も増えてきています。淘汰は進むのでしょうか?

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