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「自分が暮らす町」は全国で第何位?

意外に難しい「地域の魅力」の比較をウェブサイトで
「自分が暮らす町」は全国で第何位?

「EvaCva」画面

 自分たちが暮らす町にどんな魅力があるか、すぐに思い浮かべることはできるか?他の町と比べると、どんな特徴があるのだろう。また、これから引っ越しをするとしたら、どんな町で暮らしてみたいか?

 例えば、「子育て環境が充実している町に住みたい」「病院が多く、医療が充実している町に住みたい」など、地域を探す時は、インターネットで情報を収集したり、市区町村が公表しているデータを参考にしたりする人が多いのではないでか。

 ところが、市区町村ごとの個別のデータを入手することはできても、他の地域と同じ指標で比較してみたり、複数の情報を多角的に検討してみたりすることは、データが別々にあるため、なかなか難しいのが現状。

 富士通研究所が開発した「EvaCva(エヴァシーヴァ)」http://evacva.net/は、環境や社会、経済など、さまざまな観点から地域の特性を発見できるツールだ。

市区町村を選ぶと病院数や雇用状況をランキング表示


 「EvaCva」は、客観的で公平と考えられる政府統計など1200項目以上の公開データから、環境、社会、経済の視点で47項目の指標を作成し、全国1742の自治体の特性を見える化したもの。Webサイト上で自治体を選ぶだけで、統計データに基づく、CO2やごみ排出量、病院数、地域内総生産、雇用状況、平均寿命などの指標で、全国、および同じ人口規模の市区町村内でのランキングを表示でる。

 富士通研究所が開発したLOD(Linked Open Data)技術を適用したデータを公開しているため、様々なオープンデータや既存のデータとの組み合わせが容易で、自由な分析が可能。

 これにより、地域住民は、自分が今住んでいる町やこれから住みたい町について、「病院数は隣町と比べて多いかな」「地元に仕事はあるかな、雇用状況はどうだろう」などの情報を、他の地域と比較しながらWebサイト上で調べることができる。

 自分の住んでいる地域の特性を知ることは、生活の充実を図ることにつながる。これから引っ越しを考えている人や、新しく店舗や会社の立ち上げを考えている人なら、自分の要望に合った地域を多角的な分析で選定することができる。

 また、全国の自治体がこのようなデータを活用すれば、地域の特性を多角的に把握し、課題を発見することが可能。これにより、地域の課題解決に向けた施策立案を通じ、地域の活性化や新たな市民サービスの提供など、地方創生につながる。

 公開は2015年12月末までの予定。自分が暮らしている地域にどんな魅力があるのか、再発見をしてみては?
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
平均寿命の項目で我が地元の石川県小松市を見てみたら、全国687位。ちなみに1位は東京都杉並区、最下位(1693位)は青森県鶴田町だった。内閣官房(まち・ひと・しごと創生本部事務局)は今年、地域経済分析システム「RESAS」(リーサス)を稼働させたが、こちらも結構使えます。 https://resas.go.jp/#/13/13101

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