“筋金入り”の慶大次期塾長、早大総長との共通点と相違点

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会見する伊藤慶応義塾次期塾長(左)と長谷山慶応義塾塾長

慶応義塾は26日、長谷山彰塾長(68)の5月の任期満了に伴い、次期塾長として伊藤公平理工学部教授(55)を決めたと発表した。任期は5月28日から4年間。塾長は学校法人慶応義塾の理事長で、慶応義塾大学学長を兼ねる。

慶応義塾で幼稚舎(小学校)から学部まで学び、米国の大学院修了で博士号を取得した。固体物理や電子材料を専門に国内半導体メーカーや、近年は量子コンピューターで先進の外国企業との関係を築いてきた。同日のウェブ会見では「教員も塾生も約7割が人文系という総合大学において、人文知の先見性や医・薬・理工などとの対話を深め、グローバルで人と企業をつなげていきたい」と抱負を語った。

【略歴】伊藤公平氏(いとう・こうへい)89年(平元)慶大理工学部卒。94年米カリフォルニア大バークレー校Ph.D取得。95年慶大理工学部助手、02年助教授、07年教授。17年理工学部長。20年慶応義塾評議員。東京都出身。

日刊工業新聞2021年4月26日

COMMENT

山本佳世子
編集局科学技術部
論説委員兼編集委員

伊藤次期塾長は幼稚舎から慶応という筋金入りで、大学院(修士から博士号取得まで)は米カリフォルニア大バークレー校と世界トップクラスで学んでいる。教員歴は慶大オンリー。専門は半導体から量子コンピューターにシフトし、理工系の中でもその時代のホットな分野を手がけている。慶大時代は体育会の庭球部、年齢は55歳と若く、東京育ち。経歴としては(とくに慶応義塾関係者からすれば)非の打ち所がないといえよう。会見で、国際化が他大学に比べて遅れている点を指摘され、それを肯定した上で「私に期待されているところとして努力したい」と応えた。ちなみに早大の田中愛治総長は、早大の政経卒で、体育会の空手部、東京都出身。年齢は60代後半と少し上の世代かつ、政治学と文系ながら、米オハイオ州立大の大学院(修士から博士号取得まで)というのが目を引く。教員歴は東洋英和女学院大、青山学院大を経て早大、という点は伊藤次期塾長と違うところだ。両トップに共通する、20代に米国大学院という点は、確かにあの時代のMBAビジネススクール人気などとも重なるとはいえ、さほど多い経歴ではないと思う。それ だけに両トップが、国際感覚を武器にしての切磋琢磨が楽しみなところだ。

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