留守中の犬をケアしてくれる万能マシーン。巨大なペット市場を切り開くか
文=尼口友厚(ネットコンシェルジェ CEO)ボタンの3つついた白い機械「Clever Pet」
ペットを飼っている人にとって、家を空けるときはいつも不安だ。いま何をしているのだろうか、トラブルはないだろうかと、何をしていてもペットのことがふと頭をよぎってしまう。
またペットの方も、飼い主が長時間いないと大きなストレスが溜まるらしい。例えば犬の場合は、寂しさや不安から大きな声で吠え出したり、時には家具をかみちぎったりするなどの問題行動に出ることもあるという。
今日はそんな「留守の間の犬のケア」を行ってくれるサービスをご紹介しよう。といっても留守中犬の面倒を見てくれるサービスでも、飼い犬を散歩させてくれるサービスでもない。飼い犬の面倒を見てくれるのはボタンの3つついた白い機械、「Clever Pet」だ。
http://getcleverpet.com/
同製品は飼い主が家にいない間に飼い主に代わって犬とゲームをしたり、犬に餌をあげるなど犬の相手をしてくれる。一見すると本当に機能を果たしてくれるのかとちょっと頼りないが、動物の行動に詳しい2人の博士課程の若者が犬の行動パターンを考え抜き、実験を重ねた上でつくられた製品となっている。
Clever PetはKickStarterにおいてプロジェクトを立て1142人の支援者から総額18万ドル(2160万円)以上の支援金を集めることに成功し、支援者に対しての先行販売も行った。一般販売はまだ開始されていないが、小売価格279ドル(約3万3600円)にて行われる予定だ。
Clever Petの創業者は、カリフォルニア大学で認知学について勉強していたLeo Trottier(写真右。以下トラーチェー)氏と、同じ大学にて動物の行動について研究していたDan Knudsen(写真左。以下ヌードセン)氏の2人だ。
トラーチェー氏は2011年夏、博士課程の研究の途中、自分が飼っている猫について「もっと賢くすることはできないか」「猫にご飯を与えずとも、猫自身が自発的にご飯を取って食べてくれるようにしたい」などと考えていた。
そこで一計を案じ、市販の簡単な装置を組み合わせて猫が自分で餌を獲得してくれるようなマシーンを作成。この機器は一定の成功は収めたが、トラーチェー氏の博士課程の研究が忙しかったこともあり、それ以上アイディアが膨らむことはなかった。
「猫の教育マシーン」はこの時点で立ち消えになるはずだったが、2013年に後の共同創業者となるDan Knudsen(ヌードセン)氏と出会い、彼に対して猫のマシーンの話をしたことで、再びプロジェクトが動き出すことになる。
ヌードセン氏はトラーチェー氏と鳴鳥の神経と行動の結びつきについての研究を行っていたが、その一方で大学の研究室に長くいる必要があり、飼い犬の世話がなかなかできないことを悩んでいた。彼の犬はそのことを寂しがり、家具をひっかいたり壊したりといった問題行動を取るようになっていたという。
そんなときに猫に餌をやるマシーンのアイディアを聞かされ、これを猫ではなく犬に応用することで、自分の悩みを解決できるような、面白いマシーンを作れるのではないかと思った。
簡単なゲームを飼い犬にさせて常に忙しい状態にしておけば寂しがるようなことはない。ついでにゲームをクリアした褒美として餌をやることができれば世話する手間も省ける。飼い犬を利口にさせて、寂しがらせることもなく、また餌もやることができるマシーンがあれば、飼い主は相当助かるだろう、と考えたのだ。
こうしてヌードセン氏とトラーチェー氏は、飼い主がいない間に犬のケアを自動で行ってくれるマシーンの作成を開始することになる。
さまざまな種類、個性を持つ犬たちが総じて興味を持つようなマシーンを作るのは容易ではないが、トラーチェー氏は認知学、ヌードセン氏は動物の行動についての深い理解があるなど、専門知識を大いに生かすことができた。また犬は猫と比べて社会性のある動物で、こうした機器に興味を示しやすいことも大きな利点だったようだ。
またペットの方も、飼い主が長時間いないと大きなストレスが溜まるらしい。例えば犬の場合は、寂しさや不安から大きな声で吠え出したり、時には家具をかみちぎったりするなどの問題行動に出ることもあるという。
今日はそんな「留守の間の犬のケア」を行ってくれるサービスをご紹介しよう。といっても留守中犬の面倒を見てくれるサービスでも、飼い犬を散歩させてくれるサービスでもない。飼い犬の面倒を見てくれるのはボタンの3つついた白い機械、「Clever Pet」だ。
http://getcleverpet.com/
同製品は飼い主が家にいない間に飼い主に代わって犬とゲームをしたり、犬に餌をあげるなど犬の相手をしてくれる。一見すると本当に機能を果たしてくれるのかとちょっと頼りないが、動物の行動に詳しい2人の博士課程の若者が犬の行動パターンを考え抜き、実験を重ねた上でつくられた製品となっている。
Clever PetはKickStarterにおいてプロジェクトを立て1142人の支援者から総額18万ドル(2160万円)以上の支援金を集めることに成功し、支援者に対しての先行販売も行った。一般販売はまだ開始されていないが、小売価格279ドル(約3万3600円)にて行われる予定だ。
「猫の教育マシーン」からアイデア広がる
Clever Petの創業者は、カリフォルニア大学で認知学について勉強していたLeo Trottier(写真右。以下トラーチェー)氏と、同じ大学にて動物の行動について研究していたDan Knudsen(写真左。以下ヌードセン)氏の2人だ。
トラーチェー氏は2011年夏、博士課程の研究の途中、自分が飼っている猫について「もっと賢くすることはできないか」「猫にご飯を与えずとも、猫自身が自発的にご飯を取って食べてくれるようにしたい」などと考えていた。
そこで一計を案じ、市販の簡単な装置を組み合わせて猫が自分で餌を獲得してくれるようなマシーンを作成。この機器は一定の成功は収めたが、トラーチェー氏の博士課程の研究が忙しかったこともあり、それ以上アイディアが膨らむことはなかった。
「猫の教育マシーン」はこの時点で立ち消えになるはずだったが、2013年に後の共同創業者となるDan Knudsen(ヌードセン)氏と出会い、彼に対して猫のマシーンの話をしたことで、再びプロジェクトが動き出すことになる。
ヌードセン氏はトラーチェー氏と鳴鳥の神経と行動の結びつきについての研究を行っていたが、その一方で大学の研究室に長くいる必要があり、飼い犬の世話がなかなかできないことを悩んでいた。彼の犬はそのことを寂しがり、家具をひっかいたり壊したりといった問題行動を取るようになっていたという。
そんなときに猫に餌をやるマシーンのアイディアを聞かされ、これを猫ではなく犬に応用することで、自分の悩みを解決できるような、面白いマシーンを作れるのではないかと思った。
簡単なゲームを飼い犬にさせて常に忙しい状態にしておけば寂しがるようなことはない。ついでにゲームをクリアした褒美として餌をやることができれば世話する手間も省ける。飼い犬を利口にさせて、寂しがらせることもなく、また餌もやることができるマシーンがあれば、飼い主は相当助かるだろう、と考えたのだ。
こうしてヌードセン氏とトラーチェー氏は、飼い主がいない間に犬のケアを自動で行ってくれるマシーンの作成を開始することになる。
さまざまな種類、個性を持つ犬たちが総じて興味を持つようなマシーンを作るのは容易ではないが、トラーチェー氏は認知学、ヌードセン氏は動物の行動についての深い理解があるなど、専門知識を大いに生かすことができた。また犬は猫と比べて社会性のある動物で、こうした機器に興味を示しやすいことも大きな利点だったようだ。