「ロボットは東大に入れるか」東ロボくん、国立大33大学でA判定 早慶にもリーチ

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東ロボくん順位(右が一番)
 国立情報学研究所などが取り組む人工知能(AI:通称東ロボくん)プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」で、AIがセンター試験模試を受け、国立大学33大学39学部64学科、私立大学441大学1055学部2406学科で合格率80%以上のA判定を獲得した。11万6000人中2万5343位で、早稲田大学や慶応義塾大学のクラスでも合格率60%以上を獲得したもよう。東京大学の入試模試では世界史の論述問題に挑戦し、偏差値54・1と東大受験者の平均を上回った。プロジェクトを統括する新井紀子教授は「知識を問う問題などAIに解けない問題は確実に減っている。AIでは解けない領域で戦える人材を育てるべきだが、現在の教育、評価システムには限界がある」という。

 東ロボプロジェクトでは2021年までの東大合格を目指してAIを開発している。15年度は模試を受け始めて3年目。人間の受験生なら現役受験本番の年を迎えている。ベネッセコーポレーションのセンター試験模試と駿台予備学校の東大入試模試を受け、実力が試された。

得意科目は数学


 センター模試では5教科8科目の合計点が511点(全国平均416・4点)で偏差値は57・8。数学と世界史が好成績をたたきだし、数学ⅠAでは偏差値64・0、ⅡBは同65・8、世界史Bでは同66・5と全国平均を大幅に上回った。東ロボくんは文系として受験する予定だが、数学が得意なため経済学系や社会学系、理系では工学系への合格期待が高まる。

 数学は富士通と名古屋大、東京理科大、筑波大などがAIを開発。これまで計算そのものよりも出題文をAIが計算できる記述方式に直すところでつまずいていた。今回、名大が記述変換の道筋をつけた。同時に富士通が計算時間を短縮する計算法を開発。理科大と筑波大が数列や統計など、これまで扱えなかった問題の計算手法を作成した。得点が伸び好成績につながった。

 一方、物理は記述変換に苦戦している。記述変換で少しでもミスすると、解けない問題を永遠に計算するなどの事態が発生する。問題をAIが読めるように人手で直した後なら、力学など計算できる問題は増えた。だが出題のヤマが外れて点数は伸び悩んだ。

ニュースイッチオリジナル

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局
記者・編集者

AIの得意科目、不得意科目に合わせ鏡のように、人間の得意分野が表れているようです。

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