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ヤマト運輸が訪日外国人の〝爆買〟対応サービスを検討

商業施設で買い物した商品を空港、ホテルへ
 商業施設などで購入した商品をホテルや空港まで配送します―。ヤマト運輸はビル・タウンマネジメントサービスで、インバウンド対応の新サービスを開始する検討に入った。同社ではオフィスや商業施設で外部からの荷物を一括して集荷し館内に配荷する仕組みを構築している。今回検討しているのは、訪日外国人が商業施設などで購入した商品をまとめてホテルに届けたり、空港まで配送したりする事業。訪日外国人は大きな荷物を抱え、空港やホテルなどに自ら運ぶなどが一般的。一括集荷の仕組みを活用しヤマトグループで訪日外国人に対応していく。

 同社では現在、中部国際空港セントレアのカウンターで訪日外国人の荷物をホテルなど希望の場所まで配達したり、逆に空港宛てに送られた各地からの荷物の引き取りができるサービスを展開している。
 
 この仕組みを商業施設などに拡大する方向で検討を始めている。同社は大型ショッピングセンターなどでテナント向けに各物流会社が納入した荷物を荷受け場で一括して集荷し、個々のテナントに配荷している。
 
 このテナントを回る際に、訪日外国人が購入した商品を一カ所にまとめ、ホテルや空港などに配送する方式を検討している。将来的には海外の物流網と連携し、訪日外国人の個人宅への配送なども視野に入れる。

 政府は2020年までに訪日外国人を14年の約1341万人から2000万人に拡大する方針を掲げている。訪日外国人関連のマーケットが拡大するのは確実な情勢で、効率、便利な買い物をしてもらうには買い物環境のほか物流体制の整備も不可欠。ヤマトの取り組みは訪日外国人が重い荷物を持って観光などに回らずに済み、利便性の向上につながると期待される。いわば爆買対応ともいえるサービスだ。
 
ニュースイッチオリジナル
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
春節で訪日外国人が爆買した様子は今年話題になった。ヤマトの新サービスが始まれば、重い荷物をかかえて観光する必要もなく、さらに訪日外国人の購買が期待できるかも。

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