ボーイング「787」セントレアの保管庫増設
増産に向け準備進む
総受注が10月末時点で1124機にのぼるボーイング787型機。現在の生産レートは月産10機で、10月の引き渡しは日本航空(JAL)などへ11機となり、このうち6機は長胴型の787-9だった。
総受注の内訳は、標準型の787-8(メーカー標準座席数で2クラス242席)が450機、長胴型の787-9(同2クラス290席)が528機、超長胴型の787-10(同330席)が146機で、787-9が全体の約47%を占める。このうち、787-8を280機、787-9を60機の計340機を10月末までに引き渡しており、受注残は784機(787-8が170機、787-9が468機、787-10が146機)となっている。
今後ボーイングでは、生産レートを2016年1-3月期に月産12機、2020年までに同14機と順次増産していく。この増産に対応するため、重工各社をはじめとする日本のサプライヤーは、三菱重工業(7011)が主翼を製造する下関造船所の拡張を終え、川崎重工業が新工場を建設するなど施設の増強を進めている。ボーイングも10月30日、中部空港(セントレア)に787の主翼など主要部位を保管する「ドリームリフター・オペレーションズ・センター2」(DOC2)の起工式を開いた。
DOC2の名が示すとおり、すでにセントレアには「DOC」が建設され、2014年3月から稼働している。DOCは、日本の重工各社が製造する787の部位を、ボーイングが787の大型部位輸送に使用している輸送747-400LCF「ドリームリフター」で運ぶ際、セントレアに一時保管するために建設した。2012年4月に設置を決定し、2013年2月に完成。テストを繰り返して稼働に至った施設だ。ドリームリフターは4機体制で、セントレアは日本で唯一同機が飛来する空港だ。
セントレアからは、三菱重工が製造する主翼、川崎重工の前部胴体、富士重工業の中央翼を、最終組立工場がある米ワシントン州エバレットとサウスカロライナ州ノースチャールストンへ、ドリームリフターで運ぶ。
DOC内には、主翼や前部胴体、中央翼を乗せる「ステージング・ラック」を収容。ラック1基には、主翼は1つ、前部胴体と中央翼であれば前部胴体2つと中央翼1つ(または前部胴体1つと中央翼2つ)を載せることができ、ドリームリフター1機にはラック1基を搭載できる。
増産に対応するためのDOC2は、既存のDOC(DOC1)に隣接し、建築面積は約2000平方メートル。11月に着工後、2016年夏の完成を目指す。起工式には、ボーイング・ジャパンのジョージ・L・マフェオ社長や、中部国際空港会社の友添雅直社長らが出席した。
現在DOC1の屋内には、787の部位を乗せるラック3基のほか、ドリームリフターに部位を搭載する際に使う車両類を止めている。DOC1内に止めているのは、部位の積み卸しに使う「ラージ・カーゴ・ローダー(LCL)」と、ドリームリフターの後部ドアを支えて開閉する「モバイル・テール・サポート(MTS)」で、施設が海に面していることから塩害を防ぐ。
12月には、DOC1にラックを5基収納できるようにする。2016年夏のDOC2完成後は、車両類をDOC2に移し、DOC1は787の部位保管専用に改める。また、DOC2にはラックも1基収納でき、将来的には収納数を増やすことも検討している。
DOC2の整備は中部空港会社が行い、ボーイングと賃貸借契約を結んだ。運用や機材の用意はボーイングが担当する。また、ドリームリフターは現在月に平均17回セントレアへ飛来しているが、月産14機体制になると月25回程度に増える見込み。一方、今後もドリームリフターは4機体制で運用を続けていく。
日本の航空会社で787を導入しているのは、ローンチカスタマーである全日本空輸(ANA)とJALの2社。ANAは787-8を36機、787-9を44機、787-10を3機の計83機を発注しており、世界最多となっている。エンジンは3機種とも英ロールス・ロイス製トレント1000を採用している。
10月末までにANAは787-8を34機、787-9を8機の計42機を受領し、国内線と国際線に投入。787-10は国内線用で、2019年度から2020年度にかけて導入する。
一方、JALは787-8を25機、787-9を20機の計45機を発注済み。エンジンは米GE製GEnxを採用した。10月末までの受領は、787-8が22機、787-9が2機の計24機で、すべて国際線用機材として導入している。
総受注の内訳は、標準型の787-8(メーカー標準座席数で2クラス242席)が450機、長胴型の787-9(同2クラス290席)が528機、超長胴型の787-10(同330席)が146機で、787-9が全体の約47%を占める。このうち、787-8を280機、787-9を60機の計340機を10月末までに引き渡しており、受注残は784機(787-8が170機、787-9が468機、787-10が146機)となっている。
今後ボーイングでは、生産レートを2016年1-3月期に月産12機、2020年までに同14機と順次増産していく。この増産に対応するため、重工各社をはじめとする日本のサプライヤーは、三菱重工業(7011)が主翼を製造する下関造船所の拡張を終え、川崎重工業が新工場を建設するなど施設の増強を進めている。ボーイングも10月30日、中部空港(セントレア)に787の主翼など主要部位を保管する「ドリームリフター・オペレーションズ・センター2」(DOC2)の起工式を開いた。
DOC2の名が示すとおり、すでにセントレアには「DOC」が建設され、2014年3月から稼働している。DOCは、日本の重工各社が製造する787の部位を、ボーイングが787の大型部位輸送に使用している輸送747-400LCF「ドリームリフター」で運ぶ際、セントレアに一時保管するために建設した。2012年4月に設置を決定し、2013年2月に完成。テストを繰り返して稼働に至った施設だ。ドリームリフターは4機体制で、セントレアは日本で唯一同機が飛来する空港だ。
セントレアからは、三菱重工が製造する主翼、川崎重工の前部胴体、富士重工業の中央翼を、最終組立工場がある米ワシントン州エバレットとサウスカロライナ州ノースチャールストンへ、ドリームリフターで運ぶ。
DOC内には、主翼や前部胴体、中央翼を乗せる「ステージング・ラック」を収容。ラック1基には、主翼は1つ、前部胴体と中央翼であれば前部胴体2つと中央翼1つ(または前部胴体1つと中央翼2つ)を載せることができ、ドリームリフター1機にはラック1基を搭載できる。
増産に対応するためのDOC2は、既存のDOC(DOC1)に隣接し、建築面積は約2000平方メートル。11月に着工後、2016年夏の完成を目指す。起工式には、ボーイング・ジャパンのジョージ・L・マフェオ社長や、中部国際空港会社の友添雅直社長らが出席した。
DOC1は部位保管専用に
現在DOC1の屋内には、787の部位を乗せるラック3基のほか、ドリームリフターに部位を搭載する際に使う車両類を止めている。DOC1内に止めているのは、部位の積み卸しに使う「ラージ・カーゴ・ローダー(LCL)」と、ドリームリフターの後部ドアを支えて開閉する「モバイル・テール・サポート(MTS)」で、施設が海に面していることから塩害を防ぐ。
12月には、DOC1にラックを5基収納できるようにする。2016年夏のDOC2完成後は、車両類をDOC2に移し、DOC1は787の部位保管専用に改める。また、DOC2にはラックも1基収納でき、将来的には収納数を増やすことも検討している。
DOC2の整備は中部空港会社が行い、ボーイングと賃貸借契約を結んだ。運用や機材の用意はボーイングが担当する。また、ドリームリフターは現在月に平均17回セントレアへ飛来しているが、月産14機体制になると月25回程度に増える見込み。一方、今後もドリームリフターは4機体制で運用を続けていく。
日本の航空会社で787を導入しているのは、ローンチカスタマーである全日本空輸(ANA)とJALの2社。ANAは787-8を36機、787-9を44機、787-10を3機の計83機を発注しており、世界最多となっている。エンジンは3機種とも英ロールス・ロイス製トレント1000を採用している。
10月末までにANAは787-8を34機、787-9を8機の計42機を受領し、国内線と国際線に投入。787-10は国内線用で、2019年度から2020年度にかけて導入する。
一方、JALは787-8を25機、787-9を20機の計45機を発注済み。エンジンは米GE製GEnxを採用した。10月末までの受領は、787-8が22機、787-9が2機の計24機で、すべて国際線用機材として導入している。