富士フイルム、内視鏡「新」スコープで早期がんの切除治療

病変の観察から用途拡大へ早期の実用化目指す。大規模病院に売り込み

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レーザー光源内視鏡向けに開発中のスコープ
 富士フイルムはレーザー光源を搭載した内視鏡システム「レザリオ」を普及させるため、スコープのラインアップを拡充する。現在、拡大観察に適したスコープと処置具の利用が可能なスコープの開発を進めている。レザリオはこれまで病変の観察がメーンだったが、新スコープを使えば早期がんの切除といった治療まで1台で対応できる。早期に実用化し、レザリオを大規模病院に売り込む。

 富士フイルムは上部消化管用拡大スコープと処置具対応スコープの2機種を開発する。下部消化管用拡大スコープは、拡大観察時にピント調整しやすくしたステップズーム動作モードを標準搭載。上部消化管用としてイメージセンサーに初めて高解像度相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサーも採用する。処置具対応スコープは先端部に処置具を出し入れする鉗子口を設け、食道や胃、大腸などの早期がん治療での利用を見込む。

 スコープはこれまで上部・下部消化管用、鼻から挿入する経鼻スコープを投入しているが、観察用途のためクリニックでの利用が多かった。フルラインアップにより、今後は病院市場の開拓も強化する。

 レザリオは業界で初めて白色用と狭帯域光観察用の2種類のレーザー光源を搭載した。消化器の粘膜表層を観察する際、白色光を強めれば自然な色の画像をモニターに再現し、波長が短い狭帯域光を照射すれば表層の微細血管や粘膜の微細模様などを強調した画像処理が可能になる。赤色領域のわずかな色の違いを強調表示し、炎症などの診断をサポートする特殊光色彩強調にも対応する。

COMMENT

明豊
デジタルメディア局
局長

 内視鏡システムはオリンパスが強いが、その他のメーカーも虎視眈々。MarketsandMarketsによると、医療用内視鏡市場は2014年が136億ドル(推定)。2014-2019年のCAGRは7%で2019年には190億ドルに達する見込みという。過去数年、内視鏡需要は大きく伸びた理由は、低侵襲性に対する要求が強まっているため。また内視鏡手術は入院期間などの面でも経済的。今後は内視鏡技術のブレイクスルーが成長を後押しする。  技術面で注目されるのは、内視鏡の視野角度の広がり、スコープの外径縮小、3Dシステムなどの高解像度技術を統合した内視鏡システム、微小化内視鏡システム。世界マーケットをみても成長を後押しする要素が多い。一定の地域での有利な償還シナリオや老齢人口の増加、内視鏡処置を必要とする病気の流行・発生が考えられる。

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