ルネサス復活をけん引するグローバル人材!4月入社55人のうち20人が外国人

成果主義も徹底、評価で10倍の差も―成長段階で産革機構はどう動くのか

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1日の入社式であいさつする作田会長
 経営再建中のルネサスエレクトロニクス。2015年3月期は、10年の経営統合後、初めて当期黒字になる見通しだ。復活への勢いは採用に現れ始めた。4月入社の新卒採用55人のうち、外国人が20人を占め、外国人比率は過去最高。売り手市場といわれる中で、なぜこれまで業績不振だった企業に入ろうとするのか。

 その理由の一つが、同社のグローバル化の進展だ。海外売上高比率は6割に達し、「志望動機はグローバルに活躍できるという理由が多いとみられる」(広報部)。これまで外国人の採用といえば、中国人が圧倒的に多かったが、今年はガクっと減り、代わりにフランス、オランダ、ドイツなどの欧州のほか、韓国やベトナム、台湾などのアジアからも安定的に入社している。

 経営危機にあったルネサスは、官民ファンドの産業革新機構が2013年に経営権を握り、猛烈な勢いでリストラを断行してきた。その結果、社内は完全に成果主義が徹底され、今では降格人事も頻繁に行われている。一方で、「評価を上げれば賞与が一気にあがり、若手にとってはすごいモチベーションになっている」(中堅社員)という。関係者によると、同じ年齢でも評価は10倍くらい差があるケースが出てきている。

 再建が軌道に乗り始めたことで、元オムロン出身で再生請負人として招聘された作田久男会長兼最高経営責任者(CEO、70)の6月末での退任が決まり、元日本オラクル社長の遠藤隆雄氏(61)が後任に就くことが決定。成長を意識した人事といえるだろう。

 今後は出口戦略も課題になる。ルネサス救済にあたっては、産革機構のほかトヨタ自動車を始め8社の民間企業が出資した。8社は「ロックアップ」(株式を売却できない契約)の対象ではないため、今年に入ってニコンがすべて保有株式(約0・2%)を売却した。69%を保有する産革機構を含め今年9月にはロックアップの期限が来る。産革機構の一部には外資との提携に否定的な意見もある模様だが、グローバル人材が現場から空気を作っていくかもしれない。
(編集委員・明豊)

ニュースイッチオリジナル

COMMENT

明豊
デジタルメディア局
局長

 まだまだ課題が多いがとにかく人材が命。産業革新機構には健全なガバナンス(企業統治)と、中堅・若手のモチベーションを維持する出口戦略を考えてほしい。

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