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食べログ、プレミアム会員数100万人目指す

田中実社長インタビュー「ランチ情報など強化」
 「今日はどこの店で飲もうか」―。すっかり定着した飲食店の検索サイト。中でもカカクコムが展開する「食べログ」は登録レストラン数80万レストランと国内でも最大級の情報量を誇る。今後どういった戦略を展開し、消費者に利便性を提供するのか。カカクコムの田中実社長に聞いた。
 
 ―「食べログ」の会員数や登録レストラン数が急増しています。
 「登録レストラン数は80万と圧倒的に多いが、当社の会員数は4万くらい。会員数増加は月間6000万を超えるトラフィックの力だ。(口コミが差別化になる食べログは)レストランと緊張関係があるが、登録レストランとは(ネット上で)クリティカルマスを超えると関係が良好になり、会員になってもらえる世界がみえてきた」

 ―プレミアム会員の伸び率も高いです。
 「現在の食べログ利用者月間6400万人のうちプレミアム会員数は55万人。一般的に(情報サイトで)有料サービスに移行するのは4、5%とされる。3年位で100万―150万くらいにできるのではとみている」

 ―それにはコンテンツの充実が不可欠ですね。
 「食べログは食べるという人間の本能的、根源的な欲望なため、課金しやすい。お金を払ってもおいしいレストランを知りたいニーズがある。今後はもっと利用頻度の高いサービスを載せる。ディナーやランチ情報などを強化する」

 ―ネットから直接予約できるレストランが多い方が消費者は便利です。
 「比率では電話予約が8割、ネット予約は2割以下。米国西海岸では6割がネット、4割が電話だ。まだ日本ではオンラインで予約できないレストランが多い」
 「人気店は電話がつながらない。日中は仕込みなどで忙しく、(顧客獲得のための)機会損失を起こしている。そのため(食べログは)送客をお金に変えるマシンだと説明している。現在、1万4200程度の(オンラインのできる)レストランとの契約を、2、3万に増やせると思う」
日刊工業新聞2015年04月14日 建設・エネルギー・生活面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
カカクコムの情報は、例えば価格比較サイトの価格・コムでは価格を低い情報順に並べる。食べログも利用者が投稿する口コミでレストラン情報の一端を知ることができる。価格コムは価格が高い順に並べたり、食べログも飲食店側に立てばもっと課金できる手法もありそう。ただネット上に情報が氾濫するなか、客観性の高い情報サイトの必要性は増している。

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