全産業が待ち望む「全固体電池」、21年は普及元年になるか

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村田製作所の全固体電池

ワイヤレスは現代社会のキーワードのひとつ。電話や掃除機をはじめ、電気機器がコードを引きずっているというイメージは急速に変わりつつある。その背景にあるのは電池技術だ。

この分野で最近、にわかに注目が高まっているのが全固体電池。電解質を液体から固体に置き換えることで発火や液漏れのリスクがなくなり、安全性が向上する。さらに温度範囲が広く耐久性も高い。

自動車メーカーは電気自動車(EV)の動力としての利用を期待し、大型の全固体電池の開発を急ぐ。電子部品各社も小型・大容量な全固体電池を2021年度までに量産開始する計画を進めている。

安全性の向上や長寿命という特徴は事故や環境負荷の軽減に結びつく。実現すれば大きなビジネスになるのは確実だ。課題はコストと量産技術。内外の開発競争の中で、日本勢が優位に立てるかどうか。

単なる技術としてだけでなく、国連の持続可能な開発目標(SDGs)やESG(環境・社会・統治)の視点も忘れてはなるまい。環境負荷の軽減だけでなく、電池の能力向上でワイヤレスの対象が広がれば機器の非接触化や遠隔操作にも貢献できる。最有望の未来技術として開発の行方を見守りたい。

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