TPP日米協議再開−「ある意図」のためのグローバル化は悲劇につながる

農産品や車部品が焦点、月末の首脳会談へ正念場

  • 0
  • 0
日米両政府はTPP交渉を巡る農産品などの関税分野の実務者協議をあすにも再開する
 日米両政府は、環太平洋連携協定(TPP)交渉を巡る農産品などの関税分野の実務者協議を15日にも都内で再開する。米通商代表部(USTR)のカトラー次席代表代行らが来日して、日本側の大江博首席交渉官代理らと詰めの協議に入る。日本が高関税を課す牛・豚肉やコメなどの重要農産品のほかに、米国側が抵抗する自動車部品関税の扱いも大きな焦点だ。月末に予定する安倍晋三首相とオバマ米大統領の首脳会談でもTPPが議題の一つであり、事務レベルで懸案整理を急ぐ。

 米国は依然2・5%の輸入関税を課している自動車部品の即時撤廃を渋っている模様。韓国との自由貿易協定(FTA)では即時撤廃しており、日本として国際競争上の不利を招く不公平な扱いは受け入れがたい。農産品の関税協議の動きを見ながらの“神経戦”となりそうだ。

 米国では今週にTPPの交渉妥結に必要とされる大統領貿易促進権限(TPA)法案が議会に提出される見通しだ。TPP交渉に参加する他の11カ国はTPA法案の成立をにらんだ交渉を続けており、成立前は“様子見”の状態で大きな進展が見込めない。

 ただ、12カ国は今夏までの大筋合意を目指している。米国政府が16年の大統領選挙を控えて夏以降は交渉に集中できなくなるからだ。中国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)設立を主導して環太平洋地域で勢力拡大を狙っており、TPP交渉の“漂流”は日米にとって避けなければならない。

 首脳会談前の事務折衝はTPP交渉全体の行方を左右する重要な分岐点となりそうだ。

日刊工業新聞2015年04月14日 2/国際面

COMMENT

坂口孝則
未来調達研究所

ウクライナでは政権が倒れた後に外資系企業がこぞって農地を買収した。日本でもある意図のためにグローバル化が進まないことを祈る。もちろん外資であれどこであれ生産性の向上につながれば悪くはないがーー。

関連する記事はこちら

特集