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働くうつ病患者、過半数が精神科受診に「抵抗感」

武田薬品工業とルンドベック・ジャパン(東京都港区)は、雇用形態別に、うつ病患者の調査結果を公表した。雇用形態にかかわらず、働くうつ病患者の53%が、精神科などへの受診に抵抗を感じていることが分かった。理由として、仕事やキャリアへの影響を不安視する声が多かった。新型コロナウイルスの影響については、経済的な不安や感染に対する不安などで、うつ病患者の58%が心身のストレスの増加を感じているとした。

患者が受診に抵抗を感じた理由として、「このまま仕事を続けられないかもしれない」が59%、「うつ病と診断されることで仕事から外されるかもしれない」が36%など、仕事の継続やキャリア構築への不安が上位に挙がった。

働くうつ病患者は、うつ病治療後も就労の継続を希望することも調査で分かった。国内の労働人口が減少傾向にある中、就労意欲のあるうつ病患者が継続して働けるよう、企業や社会の理解や支援が必要になる。

調査は、世界精神保健連盟(WFMH)が定める「世界メンタルヘルスデー」(WMHD)に合わせ、雇用形態別のうつ病患者の就労の現状と課題、新型コロナの影響を把握することを目的に464人を対象に実施した。
日刊工業新聞2020年11月23日

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