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HDD市場縮小が早まる可能性も!?WD、サンディスク買収の余波

HDDシェア1位のWDと3位の東芝。日系部品メーカーは再編の行方注視
 米ウエスタン・デジタル(WD)が、半導体メモリー大手の米サンディスクを買収することで合意。2016年7―9月に買収が完了する見通し。半導体を使った新しい外部記憶装置「SSD」が台頭し、HDD市場が縮小していることが背景にある。WDの決断は今後、HDD関連業界の再編を促す可能性がある。

 東芝とサンディスクのNANDフラッシュメモリー合弁事業は継続される予定。一方で、サンディスク買収を契機に東芝がWDとHDD事業で協業に踏み込む可能性もある。現時点では「HDD事業は話題にも上っていない」(東芝)とするが、「東芝がパソコン向けのHDD事業から撤退する可能性は否定できない」(業界関係者)との見方もある。

 HDD業界は2010年前後に大型再編が相次いだ。富士通日立製作所、韓国サムスン電子がHDD事業を売却。これにより、現在はシェア首位のWD・HGST連合、2位の米シーゲイト・テクノロジー、3位の東芝が市場を分けている。

 こうした中でのWDのサンディスク買収劇。HDDよりデータを高速処理できるSSDの普及拡大が背景にある。買収対象となったサンディスクは「NAND」型と呼ばれるフラッシュメモリー(記憶素子)業界3位の大手で、関連特許も多く保有する。HDDメーカーにとってSSD企業の取り込みは魅力的。WDは外部記憶装置業界で頭一つ抜け出すことになる。

 今後、WDを追うシーゲイト、東芝はどう動くのか。シーゲイトもSSD事業を持つが、テコ入れが必要。11年にはサムスンのHDDを買収した経緯がある。外部記憶装置業界に詳しいアナリストの堀内義章氏は「サムスンのSSD事業と距離を縮める可能性がある」と指摘する。

 日本にはHDD向け部品メーカーの集積がある。各社はすでに新事業に軸足を移している。日本電産の永守重信会長兼社長は22日に都内で開いた会見で「我々のビジネスに影響はない」と述べた。ただ別の部品メーカー幹部は「HDD市場縮小が早まる可能性がある」とし、再編の行方を注視している。
日刊工業新聞2015年10月23日 3面の記事を一部加筆・修正
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
仮にWDが東芝のHDD事業を取り込んだとしたら・・。WDは日立系のHGSTを買収した。液晶のジャパンディスプレイも「日の丸」の旗の元に日立、東芝(エプソン、ソニー、三洋も)が一緒になった。日立と東芝はもともと仲が悪いが、グローバル再編にのまれ、各事業や局面で同じ会社に収まるのは時代を感じる。次は原発?

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