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エプソン、国内生産の自動化推進―インドネシアのヘッド組み立てを秋田・新工場に移管

 セイコーエプソンは、国内の生産拠点で自動化を加速する。東北エプソン(山形県酒田市)では高性能インクジェットヘッドの生産工程で、部品の運搬や供給の自動化を進める。また、インドネシアで手がけていたヘッドの組み立て工程を、2016年に稼働する秋田県湯沢市の新工場に移管して、自動化する。高度な技術を要する基幹部品の生産自動化でコスト競争力を高めつつ、生産技術を海外展開する。

 セイコーエプソンは22日、東北エプソンで手がける高性能ヘッドの自動組み立てラインを報道陣に初公開した(写真)。ただ、各工程間のワーク(加工対象物)運搬は人手で行っており、今後、物流面も自動化することでさらなる生産効率化を図る。

 近年、生産の主力である中国や東南アジアでは、人件費が年率10―15%で上がっている。そこで先端部品の日本での自動化比率を高めることで、生産コストの削減とコスト競争力の強化を狙う。

 エプソンの奥村資紀取締役は「20年には日本でのヘッドの生産コストを、インドネシアに比べて3分の1以下にすることも可能だ」とした。将来的にはプリンターの組み立て自動化も視野に入れる。
日刊工業新聞2015年10月23日 電機・電子部品・情報・通信面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
高性能インクジェットヘッドはプリンターの中でもコア部品。東北エプソンには数年前、国内生産回帰のための新ラインを製造するということで取材に行きました。そのころはまだラインが完成しておらず、見学することはできませんでした。今後さらにラインが進化するとのことで、ぜひ見に行ってみたいです。

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