社内大学、着実な人材育成が実を結ぶ

堀場製作所の「ホリバカレッジ」、250講座に細分化

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ファンハウス(滋賀県高島市)で開く「ホリバカレッジ」
 「研修は“次”を担う社内講師育成の場でもある」―。堀場製作所が2009年に立ち上げた社内大学「ホリバカレッジ」が、社内教育システムとしての存在感を高めている。京都市内の本社と研修施設のファンハウス(滋賀県高島市)で実施しており、「単に受けるだけ」の部門任せにしない細分化した研修と社内講師育成を見据えた取り組みが特徴だ。主力の分析・計測機器のグローバル展開が加速する同社。足元では着実な人材育成が実を結んでいる。

 【“必須”はなし】
 ホリバカレッジは堀場製作所の社内で選任した講師らが、主に開発・生産・営業・物流の4学科で約250種類の細分化された講座を開いている。ホリバカレッジ学長を務める野崎治子理事は新しい研修プログラムの立ち上げに際し、堀場厚会長兼社長から「教育のスピード、質、ボリュームを体系的、継続的にできるように」と要望を受けた。
 08年に1年かけて知識やスキル、リテラシーの生かせる点を洗い出して研修概要を煮詰めた。4学科で基礎・専門・応用の多岐にわたり、具体的に業務活用できる課題を数多く盛り込んでいる。
 研修は本社かファンハウスで受講し、所属の上長は誰が何を受けたかをチェックしているが“これを受けなければならない”という必須項目はないという。野崎理事は「研修のための研修にならずに、付加価値を出す」と狙いを話す。

 【交流深める場】
 09年に約11億円を投じて立ち上げたファンハウスの存在も大きい。1泊2日で研修後は交流を深められる設備が整っている。ここで夜は50歳以上の役員・部長クラスのベテランから海外経験の苦労話などを聞く場面も設けられているという。
 ホリバカレッジの発足から約6年。野崎理事は「浸透してきた。『これはプログラムに組み入れて』などと社内で日常的にカレッジが使われている」と手応えを感じている。それでも現状に満足することなく、ホリバカレッジは次の段階をにらむ。

 【次の管理職候補】
 それが講師選びだ。社内の各分野における“第一人者”は「堀場グループの財産」(野崎理事)と必ず講師に任命した。講師役は次の管理職候補としての側面を持ち合わせる。「討論、プレゼンの場面でリーダーとしての資質を見極める」(同)とともに同年代同士でお互いを認め合う機会にもなる。
 今後は海外子会社から講師を招いたり、協力会社や京都の他企業などを巻き込んで研修を実施する構想もある。野崎理事が「グローバル化を見据えると避けては通れない」と声を大にする人材育成強化策だが、それでも研修ゆえに、あくまでも基本は自己啓発。まずは自ら学ぶ姿勢の確立を第一に求めている。

日刊工業新聞2015年04月13日 機械・ロボット・航空機面

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局
記者・編集者

社内研修制度がこれだけ充実していると、自発的な学びの風土が根付いているのでしょう。教わる側も、教える側も得るものが大きそうですし、副産物も多そうです。

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