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エアアジア・ジャパン、A320初号機が中部到着。3年で黒字化目指す

CAメイクはややナチュラル
エアアジア・ジャパン、A320初号機が中部到着。3年で黒字化目指す

中部空港に到着したエアアジア・ジャパンのA320初号機の前に立つ小田切CEOと客室乗務員

 エアアジア・ジャパンのエアバスA320初号機が10月16日午後0時48分、中部空港(セントレア)に到着した。スポット(駐機場)に入る前には、空港の消防車による歓迎の放水アーチをくぐり抜けた。

 初号機は仏トゥールーズで現地時間10月9日に引き渡された。トゥールーズ出発後はエジプトとオマーン、ヤンゴンを経由し、中部空港には午後0時40分に着陸した。

 エアアジア・ジャパンは中部空港を拠点に、札幌(新千歳)、仙台、台北(桃園)の3路線を、2016年4月上旬に同時開設する。いずれも1日2往復で、毎日運航する。航空券の販売開始は、11月後半を予定。運賃は大手の同一路線の普通運賃と比べ、半分から3分の1程度に設定する。

 機材はA320(180席)が就航時は2機で、2016年末までに6機体制を整える。その後は1年に5機ずつ増機を計画しており、就航から4年で20機程度の体制を目指す。

 同社の小田切義憲CEO(最高経営責任者)は、「中部は24時間空港。名古屋は日本第3の都市だがほかのLCCが本拠地にしていない」と就航の理由を説明し、「中部圏だけではなく、目的地の発展にも貢献したい」と述べた。黒字化については、「2018年度の単年度黒字を目指す」と語った。

 2012年8月に成田空港を拠点に就航した旧エアアジア・ジャパンは、マレーシア本国のエアアジアとANAホールディングスの合弁事業で、2013年6月に合弁を解消。中部空港には2013年3月31日に就航したものの、同年8月末で撤退している。

 小田切CEOは、「前回は運航期間が4カ月程度で、定着に至らなかった。今回は事前に地元の方に認知していただき、使っていただけるようにしたい。前回指摘された予約システムの使いにくさは、継続して改善を図っており、アピールしていきたい」と意気込みを語った。

 写真家で映画監督の蜷川実花さんによるデザインの特別塗装機となる。初号機の内装は、これまでエアアジアが導入している機体と同じで、座席数は1クラス180席、1列あたり6席配列の革張りシートだ。翼端には燃費を最大4%改善する「シャークレット」を装備する。また、灯火類がすべてLEDとなり、整備性が向上している。11月後半からは、パイロットの訓練に使用する。

 エアアジアにとって、シャークレット付きのA320のお披露目を日本で行うのは、旧エアアジア・ジャパンの4号機が 2013年3月29日 に到着した時以来、二度目となった。

 そして、エアアジアの客室乗務員といえば、健康的で独特なメイクが印象的。しかし、今回のお披露目に出席した客室乗務員たちのメイクは、ややナチュラルに感じられるものだった。

 また、A320の最大顧客の1社であるエアアジアグループには、2016年から新型エンジンを搭載して燃費を改善したA320neoの引き渡しが始まる。エアアジア・ジャパンの小田切CEOは、「エンジンが異なることによるコスト上昇と、燃費改善によるコスト削減のバランスをしっかり判断したい」と語った。
吉川忠行
吉川忠行 Yoshikawa Tadayuki Aviation Wire 編集長
エアアジア・ジャパンの初号機が16日に中部空港に到着。小田切CEOは就航3年での黒字化を目指すと会見で表明しました。初号機到着時は消防車による放水アーチで出迎えられました。

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