売上高2兆円へ攻める日本電産

景気の不透明感高まるも、設備投資を上積み

 日本電産は2016年3月期の設備投資額を期初計画の720億円から900億円へ増額した。急速に販売が拡大しているハプティック(触覚)機器向け小型振動モーターと、先進運転支援システム(ADAS)関連部品の増産に振り向ける。永守重信会長兼社長は「当社は永続的な成長を遂げていこうという経営スタイル。新しい分野に投資していく」と、20年度の売上高2兆円の目標に向け、攻めの姿勢を示した。

 増額分の180億円のうち120億円はハプティック機器のモーター向け。米アップル「iPhone」の最新機種に採用されるなど販売が拡大。そのため生産余力がなく、「来年度も200億円から300億円は投資する」(永守会長)。車載やゲーム機など向けにも需要が拡大し、「2年後には5000億-6000億円の市場になる。その半分はとりたい」と期待する。

 車載事業ではADAS関連で電動ブレーキ向けの受注が想定より拡大。「投資計画を前倒し」して対応する。どちらも海外工場の増強が中心となる。

 「(両分野とも)最低でも向こう10年間は市場が拡大する。だから100億円単位の投資ができる。ニッチな分野や、単なるブームには近づかない」と永守会長は強調する。

日刊工業新聞2015年10月22日 3面

尾本 憲由

尾本 憲由
10月21日
この記事のファシリテーター

かつて会社の寿命は30年と言われたものが、現在はもっと短いのだろう。日本電産の急成長を支えたHDD市場も今や右肩下がり。それでも同社の成長は止まらない。そのカギは新市場の開拓という。いまや稼ぎ頭となった車載向けモーターも、開発を始めたのは20年前。「絶好調な事業もいつかピークアウトする。カメラもダメ、PCもダメになったが、われわれは大きな影響を受けていない」という言葉は説得力がある。

この記事にコメントする

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。