【動画あり】タイヤにかかる負荷を測定できる試験装置、全長50mの平たんな模擬路面で
国際計測器は全長50メートルの平たんな模擬路面を備え、タイヤにかかる負荷を測定できる「フラットロードタイヤ総合試験装置=写真」を開発した。回転式路面に比べ固定した状態の路面で測定するため、実車走行に近いデータを安定して取得できる。茨城県古河市の「古河テクニカルセンター」と中国子会社(上海)に実機を設置し、日本では10月から受託試験を本格始動する。同試験で年数億円の売上高を見込む。装置販売価格は約6億円(消費税抜き)。
フラットロードタイヤ総合試験装置は駆動・制動・横すべり時のタイヤにかかる負荷が測れる。試験はタイヤを装着した「高速トルク発生装置」を「搬送ユニット」に組み込み、四つの走行用駆動モーターで移動させる。トルク発生装置内のサーボモーターの回転数を変えることにより、タイヤに対する負荷を任意で変えていく。試験可能な最高速度は時速65キロメートル。最大トルクはプラスマイナス2000ニュートンメートル。同装置で取得した低・中速域のデータと、従来の回転ドラム式試験装置で取得した高速域(時速150キロ―200キロメートル)データを比較し、補正すれば平たん高速走行時のデータ推測が可能になる。
模擬路面には特殊セラミックスを採用し、さまざまな抵抗値に対応。ドライ・ウエットも含め国内外の路面をモデリングできる。屋外のテストコースでは天候や気温、ドライバーの資質によってデータに偏りが生じていたが、室内で試験することにより、こうした課題も解消した。
同社では国内外の自動車・タイヤメーカーに対して、データ取得後に装置購入も提案していく。