ベビー服の西松屋新社長は0歳の子育て真っ最中「自分の仕事の社会的使命を再認識」
《創業者の孫で大村禎史会長の長男。6月に3代目社長就任を打診された》
「父は20年社長をしてきたので自分が指名される感覚はあった。びっくりはせず『よしやるぞ』の気持ちだった」
《ベビー・子ども用品を扱う西松屋。新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要でおむつや粉ミルクなどが売れ2021年2月期は増収増益を見込む。昨年から取り組む店舗改革の成果でもある》
「前期は季節物の値下げ処分が利益を圧迫した。過剰仕入れを減らし、値下げのやり方を以前よりきめ細かくした。コロナ禍で売れた商品もあったが仕入れ改革の結果、(これまで)前期の数字を上回っている」
《参入障壁が低い小売業界。少子化の流れもあり、今後の競争は一層熾烈(しれつ)になる》
「最終的に店を選ぶのは消費者。求める品ぞろえ、価格、店の立地、販売方法をしっかり考える会社が成長する。既存店客数の伸びが店を支持するバロメーターなのでしっかり伸ばす」
《20年2月期は売上高1429億円。さらなる成長へ、店舗の出店拡大と電子商取引(EC)事業拡大の二つを挙げる》
「どちらのお客さまも求めるのはショートタイムショッピング。気軽に買い物できる仕組みを作るのが重要だ。全国1000店舗超を持つ西松屋のネット通販ならば、お客さまも安心して購入して頂けるはずだ。ハードルは低いと思う」
《今年4月、第1子の男児が生まれ、休日は家族と育児に励む》
「経済的、時間的に子育ては本当に大変だと分かった。自分の仕事の社会的使命を再認識している」
(姫路・村上授)
【略歴】おおむら・こういち 10年(平22)東大法卒、同年みずほ銀行入行。14年西松屋チェーン入社、19年執行役員、同年取締役執行役員、20年取締役専務執行役員。兵庫県出身、32歳。8月21日就任。
日刊工業新聞2020年9月3日