ランドセルのセイバン、大人用ブランドはドイツで受け入れられるか
【姫路】セイバン(兵庫県たつの市、泉貴章社長)は、大人向け背負いカバン(バックパック)の海外向けブランド「SICOBA(シコバ)」を立ち上げ、ドイツで販売を始めた。中国でランドセルを販売したことはあるが、海外ブランドの立ち上げは初めて。売れ行きを見ながら順次、欧州連合(EU)全体に販売を広げる。
新規事業の位置付けだが、売上高目標は非公表。カバンは日本製でランドセル製造の熟練工が作る。ビジネス利用を想定し、飛行機など狭い空間で持ち運べるよう、肩ベルトを折り畳めるようにして、水や汚れに強い人工皮革を使った。重さはランドセルと同等の1350―1500グラム程度でA4サイズの書類が入る。2モデルを各3色と2色用意した。価格はいずれも約5万円。現地代理店がオンライン販売する。
セイバンはランドセル事業が主力。新事業の大人向けカバンは、展開先などを調査した結果、海外にニーズがあった。中でもドイツは一つの製品を長く大切に使う指向が強いため、セイバンが目指すモノづくりの姿勢と親和性が高く、製品が現地で受け入れられると判断した。
日刊工業新聞2020年9月3日