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ジョギング装置をリハビリ向けに改良、世界市場へ―足乗せやすく低床化

大武・ルート工業
ジョギング装置をリハビリ向けに改良、世界市場へ―足乗せやすく低床化

薄型トレッドミルの試作品

 【仙台】大武・ルート工業(岩手県一関市、太田義武社長、0191・24・3144)は、床から走行面の高さ(走行面高)が3・5センチメートルの低床トレッドミル(ジョギングマシン)を開発した。同社従来品では5・5センチメートルが限界だった。海外製品など同性能の他社品と比べて、8分の1程度まで低くした。世界のリハビリテーションやフィットネス市場を対象に改良を続け、2017年3月末までの発売を目指す。

 トレッドミルを低床化すると走行面がスリップするなどの問題が起きていた。同社はローラーなどに工夫を施し、機構的に摩擦を発生させることでスリップしない低床トレッドミルを実現した。

 トレッドミルは歩行訓練のためリハビリテーション施設などで使われる器具。トレッドミルの高さは歩行困難な利用者がトレッドミルの床に足を乗せるとき障害になる。これまでは他者が手伝うほか、床下に埋め込み段差をなくす工事を行うなどして対応していた。低床化により、こうした手間が省かれる。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)の「JAPANブランド育成支援事業」採択事業。事業性の調査やデザインや外観、操作パネルの修正を経て、17年3月末までに発売する計画だ。
日刊工業新聞2015年10月16日 中小企業・地域経済面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
リハビリに使用する際にネックになっていたのが低床化。ニッチな改良ですが、世界の市場を視野に入れ製品化を目指しています。可能性が期待できそうです。

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