2020年以降にFCV販売3万台以上を目指すトヨタの決意
リーディングカンパニーが満を持して「環境」の長期目標を公表
トヨタ自動車は14日、2020年頃以降に燃料電池車(FCV)を世界で年3万台以上販売すると発表した。ハイブリッド車(HV)の拡販も進め、50年に販売する新車の二酸化炭素(CO2)排出量を平均で10年比9割削減する。同日公表した環境の長期計画「トヨタ環境チャレンジ2050」の一環。環境ビジョンを対外的に発信することで、部品メーカーやインフラ業者などを巻き込み、持続可能な社会の構築につなげるという。
計画は走行時のCO2排出量削減のほか、ライフサイクルや工場からのCO2排出削減、リサイクル技術を活用した循環型社会の実現などが柱。同日都内で開いた講演会で内山田竹志会長は「チームトヨタで総力で取り組む」と目標達成に向けて意気込んだ。一方で高見達朗常務役員は「一企業だけでは難しい目標。(部品メーカーなど)関係先を動かしながら挑むための宣言だ」と話した。
FCVの世界販売目標は17年の生産規模の10倍となる。日本では少なくとも月販1000台程度、年販1万数千台程度と設定した。伊勢清貴専務役員は「20年代に本格的な普及期に入る必要がある」とし、FCV拡販に向けて生産技術の開発や生産体制の強化、商品の拡充に取り組む。
燃料電池車(FCV)やハイブリッド車(HV)などエコカーの販売比率を高め50年にグローバルでの新車平均走行時二酸化炭素(CO2)を10年比90%削減する。一方、工場では省エネルギー技術の導入を進めるほか、再生可能エネルギーや水素利用を促進。50年にグローバルの工場でのCO2排出ゼロを目指す。
「環境問題は経営の最重要課題の一つ」。同日、都内で開いた「環境フォーラム」の冒頭、内山田竹志会長は、こう強調した。環境問題が深刻化する中「今後20年、30年先を見据えた新たなチャレンジが必要」と語った。
トヨタ環境チャレンジ2050には大きく六つの取り組み、目標を盛り込んだ。その一つが「新車CO2ゼロチャレンジ」。FCVは20年以降、グローバルで年販3万台以上と、17年の生産計画の10倍以上を目標に設定。HVの販売も20年までに年間で150万台(14年は126万台)、累計で1500万台(15年7月末に累計800万台)を目指す。
一方で「ガソリン車などはゼロにはならないが生き残れない」(伊勢清貴専務役員)と50年ごろにはトヨタのエンジン車販売比率が極めて小さくなる予想を示した。「エンジン車が減ることは天変地異に等しい(ほどのインパクト)。開発(姿勢)を変えていかないといけない」(伊勢専務役員)とした。走行時だけでなく「ライフサイクルCO2ゼロチャレンジ」にも取り組む。低CO2材料開発・使用拡大など材料製造から自動車の廃棄・リサイクルに至るライフサイクル全体でCO2を削減。
「工場CO2ゼロチャレンジ」では、まず低CO2の生産技術開発と日々のカイゼンで省エネを進める。新設工場での車生産1台当たりのCO2排出量を20年に01年比半減、30年には同3分の1に削減する。その上で太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーと水素エネルギーを活用し、CO2ゼロに近づけていく方針。
計画は走行時のCO2排出量削減のほか、ライフサイクルや工場からのCO2排出削減、リサイクル技術を活用した循環型社会の実現などが柱。同日都内で開いた講演会で内山田竹志会長は「チームトヨタで総力で取り組む」と目標達成に向けて意気込んだ。一方で高見達朗常務役員は「一企業だけでは難しい目標。(部品メーカーなど)関係先を動かしながら挑むための宣言だ」と話した。
FCVの世界販売目標は17年の生産規模の10倍となる。日本では少なくとも月販1000台程度、年販1万数千台程度と設定した。伊勢清貴専務役員は「20年代に本格的な普及期に入る必要がある」とし、FCV拡販に向けて生産技術の開発や生産体制の強化、商品の拡充に取り組む。
燃料電池車(FCV)やハイブリッド車(HV)などエコカーの販売比率を高め50年にグローバルでの新車平均走行時二酸化炭素(CO2)を10年比90%削減する。一方、工場では省エネルギー技術の導入を進めるほか、再生可能エネルギーや水素利用を促進。50年にグローバルの工場でのCO2排出ゼロを目指す。
2050年にはガソリン車の比率を極めて小さく
「環境問題は経営の最重要課題の一つ」。同日、都内で開いた「環境フォーラム」の冒頭、内山田竹志会長は、こう強調した。環境問題が深刻化する中「今後20年、30年先を見据えた新たなチャレンジが必要」と語った。
トヨタ環境チャレンジ2050には大きく六つの取り組み、目標を盛り込んだ。その一つが「新車CO2ゼロチャレンジ」。FCVは20年以降、グローバルで年販3万台以上と、17年の生産計画の10倍以上を目標に設定。HVの販売も20年までに年間で150万台(14年は126万台)、累計で1500万台(15年7月末に累計800万台)を目指す。
一方で「ガソリン車などはゼロにはならないが生き残れない」(伊勢清貴専務役員)と50年ごろにはトヨタのエンジン車販売比率が極めて小さくなる予想を示した。「エンジン車が減ることは天変地異に等しい(ほどのインパクト)。開発(姿勢)を変えていかないといけない」(伊勢専務役員)とした。走行時だけでなく「ライフサイクルCO2ゼロチャレンジ」にも取り組む。低CO2材料開発・使用拡大など材料製造から自動車の廃棄・リサイクルに至るライフサイクル全体でCO2を削減。
「工場CO2ゼロチャレンジ」では、まず低CO2の生産技術開発と日々のカイゼンで省エネを進める。新設工場での車生産1台当たりのCO2排出量を20年に01年比半減、30年には同3分の1に削減する。その上で太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーと水素エネルギーを活用し、CO2ゼロに近づけていく方針。
日刊工業新聞2015年10月15日 1面&自動車面