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VWの不正見抜いた測定器。「検知はしたがジャッジはしていない」(堀場会長)

一躍脚光を浴びる堀場製作所。来日した仏首相も分析センターを見学
 来日したフランスのマニュエル・バルス首相が堀場製作所の本社・工場(京都市南区)を訪れた。堀場製作所は1996年に子会社化した医用事業を手がけるホリバABX(モンペリエ市)があるなどフランスとの関係が深い。バルス首相は堀場製作所が強みとする自動車計測システムや分析センターなどを見学。案内した堀場厚会長兼社長は「環境関連にバルス首相自身が興味をもっておられて、熱心に説明を聞かれていた」と述べた。

 一方、同社の排ガス測定装置が米国で独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正の発見に導いた格好。堀場社長はこの不正問題の第一報を聞いた際は「そんなことはありえないと思った」としたが、「検知はしたが、”ジャッジ“はしていない。我々の装置は正しくはかるものであり、それを提供するまで。どう対応するかは(供給先の)自動車メーカーや政府などの話になる」と話した。

 その上で「はっきり結果として出ることを認識しておけば(こうした不正問題は)起こらないのでは」との見方を示した。ただディーゼルエンジンについては「誤解されないようにしてほしい。窒素酸化物(NOX)など以外は燃費も良いし、優れたエンジン。大半の企業はしっかり取り組んでいる」と今回のVW不正を受けての技術開発減速を懸念した。
日刊工業新聞2015年10月06日 自動車面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
堀場製作所の株価はこの問題が発覚後、上昇傾向。短期での業績に大きな影響はないが、中長期では各国の規制強化を受け、主力の自動車計測事業にプラスに働くのは間違いない。村田製作所をはじめ京都の企業はほんとにコア技術に圧倒的な強みがある。  

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