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エディージャパン歴史的3勝!「侍の精神力と忍者の肉体が日本ラグビー」

文・イラスト=長友啓典 脳からの指令が来る前に肉体が動いている
 イギリスで開かれているラグビーワールドカップの「熱い風」が遥(はる)か彼方(かなた)の日本まで直行便で届いている。南アフリカに辛勝した後(いくら情報量が少なかったといっても、負けは負けだ。南アフリカの現地では大変な騒ぎであったようだ)、水面下にいたラグビーファンが一気に浮上してきた。

 南アとの闘いの後、E・ジョーンズヘッドコーチのコメントが嬉しい。「この一戦を見た日本の子供たちが楕円(だえん)形のボールに興味を持ってくれるはずだ。期待している」と語っていることだ。

 2019年は我が国でワールドカップが開催される。その割には国民の感心度が薄く感じられる。E・ジョーンズ氏も心配されておられるように、子供たちを育てていくのが必須なのだ。百万語を費やして感心度を高めるより、実際に勝つことを見せつけることしかないのだ。

「ラグビー少年の夢膨らむ」


 彼がこう言ってくれた通り10月5日の新聞に「ラグビー少年夢膨らむ」という大見出しが目についた。早速南ア戦効果が表れてきた。確実に各地のラグビースクールに参加する子供たちが増えてきたようだ。これで日本で開催されるワールドカップも安心とまではいかないが、追い風が吹いてきていると実感出る。

 ボクも中学、高校時代にラグビーをかじっていた。高校の時は、野球でいうところの甲子園球場となるラグビーの聖地、あの花園競技場のピッチに立った。兵庫で催された国体にも大阪代表で出場するという幸運にも恵まれている。爾来(じらい)、ラグビーの濃いファンである。今回のワールドカップでの日本の快挙はことの外、嬉しい。寝不足でフラフラになっても、深夜TVを見ながら奇声をあげている。

 外国人であるE・ジョーンズ氏が提唱している日本チームのスローガンを思い出した。「SAMURAI EYES NINJYA BODY JAPAN WAY」(ボクは侍の精神力と忍者の肉体が日本ラグビーの生きる道と理解している)だ。「工夫されたフィジカルな練習がメンタルと融合している」ということは、「脳からの指令が来る前に肉体が動いている」ということになる。

 ボクの座右の銘と合致する。何事も「数は質を凌駕(りょうが)する」ということだ。ボクの人生に於(お)いてラグビーは色々なことを教えてくれた。「フォア・ザ・チーム」、「一人は皆の為(ため)に、皆は一人の為に」ということである。

長友啓典(ながとも・けいすけ) 39年(昭14)大阪生まれ。アササン(朝の散歩)を日課にするアートディレクター。デザイン会社K2代表、季刊「クリネタ」編集長
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
米国戦を前にスコットランドが勝ったので、日本のグループリーグ敗退が決まった。2019年に向け単なるグッド‐ルーザーにならないためにも、米国に完勝してほしい。

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