顕在化する人材不足、中小企業成長の足かせに?

自助努力だけで立ち向かうには限界も

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 中小企業の人手不足が、経営課題として急速に顕在化している。商工中金が8日発表した「中小企業の経営改善策に関する調査」では、現在、直面する経営上の問題について「人手不足」を挙げる回答割合(複数回答)が35・7%に上った。これは2013年の前回調査の2・2倍、5年前の前々回調査と比べると約7倍の水準で、とりわけ非製造業では「国内需要の減少・低迷」に次ぐ経営問題として浮上している。

 今回の調査で目を引くのは、業況が良い企業ほど、人手不足に対する危機感が強い点だ。業況が「非常に良い」と回答した企業の52・8%が人手不足を経営課題に挙げているのに対し、業績が「悪い」企業の回答割合は半分以下の22・4%にとどまる。人手不足が好収益企業のさらなる事業拡大の足かせとならないかが懸念される。

 回答企業の中には、社内教育の充実や人事・給与体系の見直しといった待遇改善で乗り切ろうとする動きもみられるが、少子高齢化による労働力不足という構造的な問題に自助努力だけで立ち向かうには限界がある。

 今回の調査では期待する政策について「少子化・高齢化対策」が「減税などの税制措置」「補助金」に次いで挙げられている。商工中金調査部では「即効性はなくても、経営環境を中長期的に展望する上での必要性が示された」とみている。

 調査は15年7月に同社取引先7729社を対象に実施。有効回答数は4490社。

日刊工業新聞10月9日付総合4面

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神崎明子
デジタルメディア局
編集委員

厚生労働省が10月2日に発表した8月の有効求人倍率(季節調整値)は23年7カ月ぶりの高水準。改善は2カ月連続でした。

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