500メートルの超伝導送電に成功。太陽光の電力をロスなくデータセンターへ直送

15年中には1キロメートルを送電

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500メートルの直流送電に成功した超電導ケーブル
 【名古屋】中部大学超伝導・持続可能エネルギー研究センターの山口作太郎教授は、住友電気工業などと共同で、太陽光で発電した電気を世界最長級の500メートル先に超伝導直流送電を行い、データセンターで利用する実験に成功した。超伝導送電を実用に近づける成果。全長1キロメートルの実験設備も建設中で、2015年中に稼働する。

 実験は「石狩超電導・直流送電システム技術研究組合」を組織し経済産業省から受託した。北海道石狩市に設備を敷設。さくらインターネット(大阪市中央区)の直流利用型のデータセンターで受電し安定運営を確認した。

 超伝導材料は「ビスマス2223」。液体窒素でマイナス200度Cに冷却する。冷却で収縮しても破損しないように送電線をらせん状にし、液体窒素を循環しやすくするため送電線を包むパイプも工夫した。
 380ボルトで送電し、電力損失は0・1―0・3ボルト。敷設コストは500メートルで2億円。理論上の容量は6万キロワットという。今後の研究で「さらにコストを半分から3分の1程度にする」(山口教授)方針。

2015年10月08日 科学技術・大学

COMMENT

松木喬
編集局第二産業部
編集委員

物質を冷やし続けると、いずれ電気抵抗がゼロになります。言い換えると送電に邪魔なものがなくなります。遠くの発電所から家庭やビルに送られてくる途中で電力は少しずつ減っています。超伝導なら途中で失われる電力がなくなります。発電所側で化石資源が無駄な燃焼が減るので、資源の節約にも、温暖化対策にもなります。話はそれますがたまたま今日、「日本は高い温暖化目標を掲げるべきではない」という主張を聞いてきました。高い目標があるから、こういった技術開発が促されると思います。

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