ロボットを進化させる「縁の下の力持ち」続々

CEATECでアルゴリズムなど要素技術が多数披露

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オムロンの卓球ロボット
 ロボットを構成する要素技術が進化している。10日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開かれるIT・エレクトロニクス総合展示会「CEATEC(シーテック)ジャパン2015」では、前回より高度化したアルゴリズムや小型軽量化したマイコンボードなどが登場した。

 オムロンは人間とラリーができる卓球ロボットの進化形を出展した。今回は卓球台の面がディスプレーになり、返球した球がどこでバウンドするかを表示する。事前にどこへ動けば良いか分かり、ラリーの上達につながる。

 開発を担当した露口卓也AI制御研究室長によるとアルゴリズムが大きく進化した。ボールの回転や軌道の方向から、どこに飛ぶかを正確に予測できる。「人間からの返球は軌跡が読みづらく、苦労した」という。今後は人と機械が相手の動きを邪魔しないよう働ける仕組み作りに技術を生かしていく。

 自ら羽ばたいて飛行し無線で操作できる全長70センチメートルの”ドローン“折り鶴を披露したローム。実現には名刺サイズからSDカードサイズまで小型化したマイコンボード「ラズライトフライ」が貢献した。モーターを制御するドライバー、マイコン、バッテリー、無線装置、気圧、加速度などのセンサー類が入っている。しかも一般的なマイコンボードより90%消費電力を抑えた。今後は「モノのインターネット(IoT)をイメージできる技術に仕上げたい」(担当者)という。

 ベンチャー企業のユカイ工学(東京都新宿区)はセンサーとコミュニケーション機能を進化させた。コミュニケーションロボット「BOCCO(ボッコ)」に搭載できる人感センサーや温湿度センサーに加え、インターネットサービスと連携し質問への回答を音声でやりとりしたり、雨が降りそうになるとシャッターを閉めるたりできる。青木俊介CEOは「スマートホームの機能のワンストップ化」を目指す。

 多くのロボットが日常で役立つ日を目指し、要素技術の進化は続く。
(文=石橋弘彰)

日刊工業新聞2015年10月09日 ロボット面

COMMENT

政年佐貴惠
名古屋支社編集部
記者

CEATECでは家電よりもシャープの「ロボホン」やセブンドリーマーズ、パナソニック、大和ハウス工業の「ランドロイド」など、ロボットの展示が注目を集め、またそれを支える電子部品関連のブースが盛況。日本のロボットと要素技術の強さが垣間見られる。ただ来場したある電機メーカー幹部は「日本の今の産業の状態をよく表しているよね・・・」と、少しさみしそうだった。

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