あらゆる企業が“電機メーカー化” 電子部品の存在感さらに高まる

CEATECから見えてきた新時代

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アルプス電気のセンサーを搭載した指輪型端末
 箸の先端に搭載できる小型部品はないか―。TDKは中国のインターネット検索事業者大手、百度(バイドゥ、北京市)からの要請で、同社が手がけるデジタル箸向けに超小型複合部品「SESUB(セサブ)」を供給した。

 百度のデジタル箸は、箸の先端にセンサーや無線部品が搭載され食品の油分や塩分を検知できる。百度との取引は初めてでTDKの熊沢志津子ICTグループ営業・マーケティング統括部係長は「箸の細い部分に搭載できる部品が他社にはなく、採用につながった」と振り返る。
 
 アルプス電気はベンチャー企業の16Lab(神奈川県鎌倉市)と、ジェスチャーで家電を操作できる指輪型ウエアラブル端末を共同開発した。
 
 16Labから技術協力を請われた際は、「最初は指輪型と聞いて驚いた。だが純粋に面白いアイデアで、勉強になるしやってみようと思った」(アルプス電気の高井大輔グループマネージャー)。同社は指輪の形に適したセンサー部品を供給。16Labの木島晃社長は仕上がった指輪を前に「大企業なのに難しい要求に”ノリ良く“応えてもらい感激した。アルプスさんの力がなければ製品化は難しかった」と強調する。
 
 【超小型部品、協業の武器】
 
 部品メーカーが電機以外の業種と協業する事例が増えているのは、部品各社が顧客のアイデアを形にできる超小型部品を持っているからだ。部品サイズが小型であればあるほど狭い場所に組み込むことが可能で、日常にあるさまざまな製品に搭載しやくなる。

 実際、村田製作所は、福井県鯖江市のメガネメーカーと開発したデザイン重視のメガネ型端末に、超小型スイッチモジュールを供給した。TDKは「幅広い製品に採用されるには部品サイズで4ミリメートル角以下にするのがポイント」(熊沢係長)と指摘。7月には3・5ミリメートル角の無線部品の量産を始めた。

 多様な業態の企業が顧客に加わる中、モノづくりに不慣れな企業に対する側面支援も不可欠になっている。アルプス電気は16Labに対し、部品供給に加え量産用の製品設計や量産するための生産技術なども提供した。

 「ここ数年の間に最も大きく変化したのは顧客層だ。部品メーカーも次の成長に向けて、変化しなければならない時期にきている」(アルプス電気の高井大輔グループマネージャー)。

 テレビやデジタルカメラを手がける電機メーカーにとどまらず、さまざまな企業が製品のデジタル化を志向する―。IoTは、あらゆる企業が”電機メーカー”化する新時代の幕を開く。電機の”素人”を相手にどういった製品開発支援を行っていけるか。部品メーカーが自社の部品を拡販する上で不可欠な要素となりそうだ。

日刊工業新聞2015年10月09日 電機・電子部品面の記事から一部抜粋

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

それが電子部品業界、あるいはほかの業界も巻き込んだ企業再編を促すだろう。

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