ニプロ、テレビ電話で問診から服薬指導まで
今秋から
ニプロは地域医療の支援事業を拡充する。見守り支援システム「ニプロハートライン」において、利用者が医師や看護師、薬剤師と同時にテレビ電話できる機能を今秋にも追加する計画。同社製の医療機器で取得した患者の生体データを基に、問診から服薬指導までのチーム医療を実現する。システムは医療施設を中心に今後2―3年で、2万―3万件の採用を目指す。
ニプロハートラインは情報通信技術(ICT)を活用し、医療機器を通じて患者の体温や血圧、血糖値などをリアルタイムで医師と共有する。新機能は画面を最大6分割し、主治医や看護師、薬剤師が連携しながら患者と対話できる。また患者がスマートフォンで撮影した食事の写真などもシステムで直接共有できる。生体情報や栄養摂取状況を一元的に管理でき、適切な医療サービス提供につなげられる。
ニプロハートラインは2009年から過疎地域の患者を主な対象として運用してきた。新型コロナウイルス感染症の拡大により、都市部でもオンライン診療や服薬指導のニーズが高まった。感染症の流行や外出が困難な高齢者などに対応し、慢性疾患治療や手術後の回復状況を把握するなど地域における在宅医療に役立てる。
同社が開発した健康管理アプリケーション(応用ソフト)「ニプロげんきノート」との連携も進める。体重や体格指数(BMI)など日々の体調データを記録し、未病予防につなげる。23年頃に本社移転を予定する北大阪健康医療都市「健都」では、地域の調剤薬局と連携しながら住民の健康増進を強化する。