包装フィルムの注文が止まらない。新型コロナ影響、海外で脚光

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海外の青果売り場などでは裸売りが主流だったが、新型コロナ感染拡大後は個包装への転換が進んでいる(ドイツの青果売り場=昨年9月撮影)

イシダ(京都市左京区、石田隆英社長、075・771・4141)は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い生まれた新しい食品包装需要への対応を強化する。海外の野菜売り場などでは裸売りが一般的だったが、ウイルス対策で個包装ニーズが増加。欧米などで包装機と包装フィルムの注文が相次いでおり、対応を急ぐ。海外では、ブラジル通貨レアルの急落で浮き彫りになった為替リスク対策も進め、部材の現地生産などの取り組みを加速する。

欧州生鮮青果物協会は新型コロナ感染症に関する影響の評価で、消費者が食の安全性を重視して包装された生鮮食品を好む傾向にあると指摘した。米国やアジアでも同様の動きがある。個包装した青果物を並べるため、スーパーなどの店舗内で包装できる機械やフィルムの需要が増えている。日本でも、パンの店舗などで個包装が増加傾向にある。

欧米で環境負荷の低い日本製フィルムが求められ、包装機メーカーのイシダへの注文が急増している。ただ、同社は国内からの輸出分確保に苦心しており、フィルムメーカーに増産を依頼した。欧米市場での野菜や果物の個包装は、包装機にとって新市場と言える。包装機の引き合いも直近で1―2割増えており、需要開拓に乗り出している。

一方、ブラジル通貨レアルがコロナ禍の最中に最安値を更新した。食品計量器などを生産する同社のブラジル工場の内製率は4割弱。日本から基幹部品や鋳物などを送っており、利益を圧迫した。

そこで設備投資を含む内製率向上に着手した。計量皿や筐体加工、付帯設備の内製化と現地調達率を高めるほか、これまで100%日本から輸出していた電気部品についても現地で電気技術者を採用して現地化を進める。生産ライン上で質量を検査する「ウェイトチェッカー」の廉価モデルの現地生産も近く始める方針だ。

日刊工業新聞2020年6月18日

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