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ソニー「半導体分社」で実質的な持ち株会社へさらに踏み込む!?

成長の要は、とにかく意思決定早く
ソニー「半導体分社」で実質的な持ち株会社へさらに踏み込む!?

各事業の分社化を進めるソニー

 ソニーは6日、半導体事業を分社化し、新会社を設立すると発表した。社員約3200人が移り、2016年4月に営業を始める計画。中期経営計画で掲げた各事業の分社化策の一環。ソニーは、画像センサーが好調な半導体事業を成長分野の一つに位置付けている。分社化により意思決定の迅速化を図り、さらなる競争力向上を目指す。

 新会社「ソニーセミコンダクタソリューションズ」を神奈川県厚木市に設立し、半導体の研究開発、事業管理、営業などの機能を移管する。ソニーの清水照士デバイスソリューション事業本部副本部長が社長に就く。

 ソニーの16年3月期の半導体事業の売上高見通しは7800億円。グループで半導体製造のソニーセミコンダクタ(熊本県菊陽町)、半導体設計のソニーLSIデザイン(神奈川県厚木市)の2社はソニーセミコンダクタソリューションズの子会社となる。

 ほかに電子デバイス部門では、業務用カートリッジなどを取り扱うストレージメディア事業を、生産子会社のソニーストレージメディア・アンド・デバイス(宮城県多賀城市)に16年4月をめどに集約することも決めた。

経営の転換点迎える。画像センサー投資は「異例の規模」


日刊工業新聞2015年5月1日付


 ソニーの経営が転換点を迎えた。2014年度までに大規模リストラを終了させており、15年度は再成長へのステップの年となる。画像センサーの競争力向上、安定顧客から継続的に収益を得る「リカーリング型ビジネス」を確立できるかがカギを握る。
 
 ソニーは17年度に営業利益5000億円以上を目指す中期経営計画を2月に打ち出した。初年度の15年度をどう位置付けるのか。吉田憲一郎副社長兼最高財務責任者(CFO)は「目標達成と、それを維持・向上させていくための『投資の年』」と説明する。

 15年度、電子デバイスには「異例の規模」(吉田副社長)という約2900億円を投じる。業界トップの座にあるスマートフォン向け画像センサーを増産し、ライバルを突き放しにかかる。

 また顧客基盤をベースに、コンテンツ提供や周辺製品の販売で継続的に収益を得る「リカーリング型ビジネス」の確立を目指す。ゲームではプレイステーション4の普及拡大や、新しいハードウエアの開発に投資する計画。画像センサーでも完成品や関連サービスを含めて提供する事業展開を模索する。

 ソニーはデジタル機器で、高付加価値路線を鮮明にした。販売規模を追わないこの戦略は、縮小均衡のリスクをはらむ。再成長にはリカーリング型ビジネスの拡大が不可欠な要素になる。
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
これでソニーが実質的な持ち株会社になろうとしていることがよりはっきりした。もともとエンタメや金融などコングロマリット企業でありその流れが当然か。日立製作所も事業持ち株会社を指向している。川村前会長も以前、「事業持ち株会社を目指しているので、グループ会社を含め横串の戦略がいる。他社にはあまりない形態かもしれない。だから日立本体の本社部門はとても大事で、実力のある人材だけを残す」と話していた。ソニーの本社部門は今、表の顔が平井社長、裏は吉田CFOが実務をしっかり取り仕切っている。

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