【動画あり】業界初!駐車設備の自動扉閉装置でスムーズな出庫を実現
新明和、センシング技術応用
新明和工業は業界で初めて、機械式駐車設備から車を出庫した後に、自動で車庫の扉を閉めるシステムを開発した。エレベーター式駐車設備のオプション機能として22日から受注を始める。自動運転車用の駐車設備を研究開発する中で培ったセンシング技術などを応用した。出庫後に運転者が車を降りて扉を閉める必要がない。扉の閉め忘れなど事故につながるリスクが減り、安全性が向上する。
開発したシステムは「オートドアクローズシステム(自動扉閉装置)」として、エレベーターでタワー内に車を収容する同社駐車設備の主力機種「エレパークF型」向けに製品化。パネルなどで人の行動範囲を制限するとともに、その範囲内で人をレーザースキャナー(LiDAR)や光電管センサーで検知する。車が出庫した数秒後に扉を閉めるが、設備内に人がいると扉を閉めず警報を鳴らす。
同駐車設備はマンションやホテルなどに併設することが多く、設備本体の価格は8000万円以上。今回のシステムはオプション機能として設備に追加でき、消費税抜きの価格は800万円。年30基の販売を目指す。
今後、エレベーター式の他機種や地下式の駐車設備にもシステムの採用を広げる。同社が事業展開する台湾やタイなど海外でも需要に応じ販売する。
機械式駐車設備の安全基準は車の呼び出し操作をした人が目視で安全確認し、扉を閉めるなどの仕組みを義務付けている。ただ、閉め忘れのリスクや出庫の度に降車して操作する手間など、安全性と利便性における改善の要望があった。
新システムではリスクアセスメントを実施し、現在の安全基準を満たしていると認められた。立体駐車場工業会の認証を取得済みで、国土交通大臣認定も6月中に取得できる見通しだ。
日刊工業新聞2020年6月12日