雲の色・動きを動画で再現、雨予報の判断しやすく―海洋機構

地上から見上げた雲の色シミュレーション

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開発した技術で作成した雲の画像(海洋機構提供)
 海洋研究開発機構地球情報基盤センター地球シミュレーション総合研究開発グループの大西領グループリーダーらは、地上から見た雲の色や動きを簡易に動画で再現する手法を開発した。雲を透過する日射量などの気象シミュレーションで算出したデータなどを使い、10分程度の処理時間で動画を作製する。雲の色の違いを表現でき、降雨の可能性などの視覚的に判断できる天気予報の実現につながる。
 
 現在の天気予報は、上空から地上を見下ろす描画で雲の動きを表現する。コンピューターを使って大気変動を予測する気象シミュレーションで算出した雲の分布量を基に作製しており、雲の色は白に統一される。

 一方、地上から見上げた雲の色はその厚さなどの違いによって、白や灰色に見える。この色は雲の影響を受けた日射の散乱・反射状況で決まる。散乱・反射過程を精密に計算すれば雲の色を正確に表現できるが、データ量が膨大で処理コストが過大だった。

 研究グループは、気象シミュレーションによって算出するデータを活用した簡易な手法を開発。雲の分布量に加えて雲を透過する下向きの日射量を使って、雲の色の違いを表現する。日射量が多い部分は白く、少ない部分は黒く色分けする。

 現在、この下向き日射量と雲の明るさの表示については感覚的な関係式を用いて変換しており、定量的ではない。今後はこの関係式の精度を高めていく。

日刊工業新聞2015年10月05日 科学技術・大学面

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昆梓紗
デジタルメディア局DX編集部
記者

われわれが見るテレビやネットの天気予報にも、衛星図だけでなく地上から見た空のシミュレーション動画が使われるようになるかもしれません。

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