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「ニューデイズ」が次の成長に繰り出す一手

駅ナカコンビニ、59万円の高日販を維持に体質改革を進める
「ニューデイズ」が次の成長に繰り出す一手

セブン―イレブンに次ぐ高日販をたたき出す

 JR東日本リテールネット(東京都新宿区、大和田徹社長、03・5324・6800)は駅ナカに展開しているコンビニエンスストア「ニューデイズ」の客単価引き上げに取り組む。ニューデイズは目標としていたJR東日本管内500店の出店を達成した一方、好立地の減少などで新規出店のためのハードルは高くなっている。来店頻度を高め、客単価を引き上げてさらなる成長を目指す。
 
 ニューデイズの店舗はほとんどが駅構内に出店している。駅という集客装置の効果を引き出すことで、1日当たりの平均販売額(平均日販)は2015年8月時点で59万円。コンビニエンスストア業界では最大手であるセブン―イレブン・ジャパンの平均日販が67万のほかは大手でも50万円台前半にとどまる。

 40万円台の店舗もあるなかで、ニューデイズは高水準の日販を維持してきたといえる。13年の57万9000円から商品政策の強化やオペレーションの改善を続けてきた成果だ。

 店舗数も8月末現在で508店となり、目標の500店の大台に乗せた。だが、駅ナカを主戦場とする同社にとって、都内のターミナル駅などはまだ出店余地があるものの、地方などではそれほど出店余地が残されていないのが実情だ。

 そこで今後の成長戦略の軸となるのが商品政策の強化による客単価の引き上げと、オペレーションの改革による客数の引き上げだ。客単価は15年は平均380円だったが、当面は400円台を目指す計画。

 JR東日本管内に店舗があるというネットワークを活用し、付加価値のある商品を発掘したり、グループの弁当などを製造する企業と組んで既存の商品の質的改善を図ったりして、特に夜間の単価を上げていく方針だ。

 また、同社店舗は30―100平方メートルと規模がまちまちで、市中のコンビニと違って売り場面積に制約がある。混雑時にはレジ待ちを避ける顧客などが相当数発生し、販売機会の損失がかなりあるとみられる。今後は小型のPOSシステムの新規導入・増設で決済スピードを改善、什(じゅう)器の小型化で顧客の導線を確保して利便性を向上。販売機会の損失を削減し、客数を増やす作戦を展開する。
2015年09月30日 建設・エネルギー・生活面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
お馴染みのJR東日本管内の駅にある「ニューデイズ」。駅という集客装置を上手に活用して、次の成長をしていくことが求められいます。

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