変わる百貨店、接客減らし「時間消費型」に挑む

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百貨店は接客で感染拡大防止を徹底(横浜高島屋=横浜市西区)

新型コロナウイルスの感染拡大は日々の生活を大きく変えた。政府の緊急事態宣言解除後も、感染の「第2波」「第3波」が懸念され、コロナ影響の長期化は不可避な情勢だ。日常生活を営みながら感染を抑止する「ニューノーマル(新常態)」への移行が求められる。百貨店大手は、高島屋が都心の店舗も含めて衣料品や靴などの売り場を再開したほか、松屋も銀座店(東京都中央区)で段階的な再開を始めるなど、通常営業に向けた動きが広がっている。

再開にあたり各店では、業界団体がまとめた感染拡大防止のガイドラインに沿った取り組みを実施する。その一つが飛沫(ひまつ)感染対策。顧客と従業員が近接するレジ前などに防止シートを設置している。

これまで百貨店は“接客”を重視してきた。だが新型コロナ感染対策で、密接を防ぐことが求められる。「今一番優先するべきことは新型コロナの感染拡大防止。お客さまにはご不便をおかけするが、予防対策を徹底することで安心してお買い物をしていただきたい」(J・フロントリテイリング)考えだ。

コロナ禍で百貨店の業績も打撃を受けている。収束後も来店客の落ち込みは続き、インバウンド(訪日外国人)需要の早急な回復も難しい。来店客数がコロナ前と同等まで盛り返すかは不透明だ。

新型コロナで百貨店自体も変革を余儀なくされている。「店舗での買い物は(体験型の)時間消費型に変わる。店舗の役割も大きく変化する」(杉江俊彦三越伊勢丹ホールディングス〈HD〉社長)。従来型の百貨店からの脱却を目指したリモデルが求められる。

デジタル化への対応は急務だ。百貨店各社は臨時休業により実店舗の売上高は激減したものの、ネット販売など電子商取引(EC)事業の売上高は堅調だった。

百貨店業界は他業界と比べ、全体的にネット対応が遅れている。三越伊勢丹HDでも「EC単体の強化だけでなく、自宅のお客さまと(店舗の)販売員が直接つながる仕組みなど機能を拡充する」(杉江社長)計画だ。

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日刊工業新聞2020年5月26日の記事から抜粋

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