パナソニックの最新通信技術で駅が快適に!空間領域の事業拡大へ

リンクレイ、PLCなど独自技術活用

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「リンクレイ」の発信機が付いている看板にスマホをかざしルートを表示

パナソニックが最新技術を使って駅構内を“演出”する取り組みを進めている。同社が持つ通信技術を生かし、ホームの照明の明るさを制御したり、駅の地下街を案内するスマートフォン向けアプリケーション(応用ソフト)を開発したりして駅の利用者に便利・快適な空間を生み出す。空間領域の事業拡大を狙う同社。通信技術を有効に使うことで新しいサービスを提供する。(日下宗大)

大阪・梅田の地下街。大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)御堂筋線の梅田駅を中心に形成され、四つ橋線の西梅田駅と谷町線の東梅田駅、さらに私鉄やJRの駅も集まる。商業施設ともつながる地下通路は複雑だ。初めて来た人は道に迷いやすい。

AR機能活用

そこでパナソニックは大阪メトロと共同で道案内もできる交通情報アプリ「Osaka Metro Group 案内アプリ」を開発。3月にサービス提供を始めた。パナソニック独自の光信号による通信技術「リンクレイ」と拡張現実(AR)案内機能を活用した。

まずはスマホにアプリをダウンロード。リンクレイの発信機が付いた看板にかざした後、“〇番出口”といった目的地を選択する。するとスマホ画面に、地下通路の風景と合わさった青い案内ルートが表示される仕組みだ。

風景から特定

スマホに写り込んだ風景の特徴から利用者の現在地を特定することから、位置情報の精度が高い。従来、地下街では全地球測位システム(GPS)を使う地図アプリは電波が届きにくく、位置精度に問題があった。

5路線8駅で運用を開始し、今後さらに対象の駅を増やしていく考えだ。アプリで用意する目的地も増やし、利便性の向上を図る。

専用端末不要

3月に開業したJR東日本の新駅「高輪ゲートウェイ駅」(東京都港区)。このホームの照明制御にはパナソニックの電力線搬送通信(PLC)技術が採用されている。

PLCは電力線に高周波の通信用信号を乗せて伝送する技術。専用の信号線や端末が不要で、既存の電力線を活用できることから、短工期・低コストで照明の調光調色ができる。国内では初めて同駅にPLCの照明制御が本格採用された。

ホームの照明は時間や天候に応じて光の強さや色を調整する。日中は自然光に調和させるため昼白色や白色。夕方以降はコンコースに合わせて電球色にする。細やかな明かりの演出で快適な駅空間を作り出す。

パナソニックは2030年に向けてソリューション型のビジネスモデルを中心に据えて成長を図る方針だ。特に住空間だけでなく、公共空間にも新しい価値を創造し、事業展開を進める。リンクレイやPLCもカギとなる通信技術として、公共空間での更なる利用拡大を目指す。

日刊工業新聞2020年5月21日

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