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たんぱく質の形が見える!沖縄の大学発ベンチャーが世界を目指す

沖縄科学技術大学院大学(OIST)の技術を応用
たんぱく質の形が見える!沖縄の大学発ベンチャーが世界を目指す

3次元データ化した抗体

 沖縄プロテイントモグラフィー(沖縄県恩納村、亀井朗社長、098・982・3359)は、たんぱく質など生体高分子の3次元構造を可視化する解析サービスの海外販売に乗り出す。11月にドイツの展示会「バイオ・ヨーロッパ」、12月には米国で抗体関連の国際会議に出展する。製薬会社や研究機関の採用を狙う。

 海外営業のため沖縄振興開発金融公庫から8000万円の出資を受けた。同サービスは試料を急速凍結し、電子顕微鏡で得た断面データを3次元画像に再構築する。平均データでなく個々の構造を解析可能。解像度は約1・5ナノメートル(ナノは10億分の1)で、大きさ10ナノ―100ナノメートルの細胞や巨大分子の可視化に適する。

 分子構造が設計通りできているか検証できる。結晶化が難しいたんぱく質でも解析できるため「創薬などの効率化につながる」(亀井社長)という。染色や置換を行わないため生体内に近い環境で可視化する。

 沖縄プロテイントモグラフィーは沖縄科学技術大学院大学初の大学発ベンチャー。2014年6月に設立し、本社とラボを同大学に置く。
日刊工業新聞2015年10月01日 ヘルスケア面
三苫能徳
三苫能徳 Mitoma Takanori 西部支社 記者
沖縄科学技術大学院大学(OIST)が特許保有する3次元構造解析プログラム「COMET」を活用しています。沖縄を拠点にしたビジネスモデルで、亀井社長は「設備面などでOISTにラボを置いているのが強み」としています。

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