「狙った消費者にリーチできる確率9割」―FB日本法人執行役員・井上英樹氏

中小が経営戦略として活用加速

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 米フェイスブック(FB)の日本法人(東京都港区)が中小企業の開拓を加速している。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)としての高い情報発信力に加え、商品などを訴求したい相手に的確に広告を配信できる強みを訴求する。中小が経営戦略としてITの活用を加速しており、顧客拡大の余地は大きい。井上英樹執行役員に事業戦略などを聞いた。

低コスト、スピードの速さが利点


 ―中小がFBのサービスを利用する利点は。
 「以前はホームページを設けるのに費用と時間がかかっていたが、FBであれば自社のページを簡単に作成できる。日々の情報を発信することで企業のインフラとして活用できる。中小の場合、興味を持てば導入までの展開が早い」

 ―中小の多くが情報発信に課題を抱えています。
 「健康食品などを製造している北海道の企業が海外への拡販に向けて我々の広告を活用したところ、海外の売り上げが4カ月で30倍に増えた。海外市場はハードルが高いと思われがちだが、各国の潜在的なニーズや反応を把握できる」
 「(創業間もない)スタートアップ企業はかけられる費用が限られるが、宿泊予約サイトを運営している企業がFBを活用したところ、会員獲得にかかるコストを75%削減できた。少ない投資で(広告配信などの)試行錯誤が可能だ」

 ―米グーグルも中小企業への広告サービスを強化しています。
 「我々は個人がFBを利用するために、年齢などの情報を入力してもらっている。こうした情報が、特定の消費者をターゲットにして広告を配信する際に役立つ。実際に広告を出して、狙った消費者にリーチ(訴求)できる確率が9割に達する」

 ―動画広告の展開は。
 「活用する動きが広がっている。動画を用いることで閲覧者の反応が高まる。コストにも見合う」

 ―中小への食い込みでは大手の顧客以上にサポートサービスが重要です。
 「広告を出稿した企業にメールやチャットでサポートしている。企業が情報交換できる場も設けている」
 
 【記者の目/訪日客取り込みにも有効】
 SNSの特性に加えて、手軽に導入できることから中小がFBの活用を増やしている。利用者の属性などのビッグデータ(大量データ)をもとに、商品やサービスを訴求したい相手に的確に広告を配信できるのが強みだ。大手と比べ情報発信力が劣る中小の顧客拡大を狙う。海外への拡販だけでなく、訪日外国人の取り込みにも有効だろう。
 (聞き手=孝志勇輔)

日刊工業新聞2015年10月02日 電機・電子部品・情報・通信面

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局
記者・編集者

FBは導入コストもスピードも優れていますが、その分サポートは手厚くないように思います。自分たちでノウハウを調べ、こまめに情報発信するなどうまく活用できる中小は増えるのでしょうか。

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