揺れる東芝「人員削減」室町社長が示唆
新たな成長事業「例えば水素事業などが候補だ」
東芝の室町正志社長は1日、東京都内の本社で日刊工業新聞社などの取材に応じ、課題事業の構造改革に関連して「雇用がかかわってくれば労働組合との相談が必要になる」と述べ、人員削減に踏み込む可能性を示唆した。自身の社長の任期については「今、いつまでという考えはないが、3年続けるということはない」と述べた。
不適切会計問題の発生について室町社長は「ここ数年、稼ぐ力が弱まっており、それが背景になった可能性がある」と指摘し、課題事業のリストラを急ぐ考えを強調した。半導体のシステムLSIとディスクリート(単機能)の構造改革については「ある程度の方向付けはできた。11月初旬に合わせて何らかの方針を示したい」とした。
またテレビ、パソコン、白物家電の構造改革についても「すでに具体的な指示を出しており、経営企画部門などが実現性を検討している。11月中にある程度の方向性を出したい」と語った。事業ポートフォリオについては「引き続きエネルギー、ストレージ(外部記憶装置)、ヘルスケアは注力事業として続ける」と述べた。
東芝は9月30日の臨時株主総会を経て、新経営体制を発足した。取締役が過半を社外取締役が占めるようにするなどし、コーポレートガバナンス(企業統治)強化を図った。
室町社長は「コンプライアンス(法令順守)を前提とした誠実な経営に取り組み、社内一丸となって信頼回復を目指す」と強調した。
―今後の事業構成(ポートフォリオ)をどう考えていますか。
「今年度内には(ポートフォリオをどう再構築するか)ある程度話をしたい。成長事業として(エネルギーなどの3事業以外に)新たに加える可能性もある。例えば水素事業などが候補だ」
―先行きが不透明な原子力発電設備事業は、他社との事業統合も選択肢の一つになりませんか。
「国内事業は厳しい。そういう可能性もゼロではないが、なかなか実現は難しく、まったくの白紙の状況だ。ただ、将来の原子力事業となると、そういうことも視野に入れないといけない」
―主力のフラッシュメモリー事業では単価の下落が続いています。対応策は。
「需給バランスが若干崩れており、4―6月は価格が下落した。7―9月も価格が戻っていない。過去には生産調整を行うことで対応していたが、今の段階では考えていない。これといった決め手はなく、微細化などで対応するしかない」
―復配への考えについて。
「行政処分や訴訟関係の可能性があり、今は示せない。それが整理されたら1円でも2円でも復配したい」
不適切会計問題の発生について室町社長は「ここ数年、稼ぐ力が弱まっており、それが背景になった可能性がある」と指摘し、課題事業のリストラを急ぐ考えを強調した。半導体のシステムLSIとディスクリート(単機能)の構造改革については「ある程度の方向付けはできた。11月初旬に合わせて何らかの方針を示したい」とした。
またテレビ、パソコン、白物家電の構造改革についても「すでに具体的な指示を出しており、経営企画部門などが実現性を検討している。11月中にある程度の方向性を出したい」と語った。事業ポートフォリオについては「引き続きエネルギー、ストレージ(外部記憶装置)、ヘルスケアは注力事業として続ける」と述べた。
東芝は9月30日の臨時株主総会を経て、新経営体制を発足した。取締役が過半を社外取締役が占めるようにするなどし、コーポレートガバナンス(企業統治)強化を図った。
室町社長は「コンプライアンス(法令順守)を前提とした誠実な経営に取り組み、社内一丸となって信頼回復を目指す」と強調した。
<一問一答>室町社長「(復配は)行政処分や訴訟関係の可能性があり今は示せない」
―今後の事業構成(ポートフォリオ)をどう考えていますか。
「今年度内には(ポートフォリオをどう再構築するか)ある程度話をしたい。成長事業として(エネルギーなどの3事業以外に)新たに加える可能性もある。例えば水素事業などが候補だ」
―先行きが不透明な原子力発電設備事業は、他社との事業統合も選択肢の一つになりませんか。
「国内事業は厳しい。そういう可能性もゼロではないが、なかなか実現は難しく、まったくの白紙の状況だ。ただ、将来の原子力事業となると、そういうことも視野に入れないといけない」
―主力のフラッシュメモリー事業では単価の下落が続いています。対応策は。
「需給バランスが若干崩れており、4―6月は価格が下落した。7―9月も価格が戻っていない。過去には生産調整を行うことで対応していたが、今の段階では考えていない。これといった決め手はなく、微細化などで対応するしかない」
―復配への考えについて。
「行政処分や訴訟関係の可能性があり、今は示せない。それが整理されたら1円でも2円でも復配したい」
日刊工業新聞2015年10月02日 3面