「新型コロナと5G」時代でも携帯料金を下げるぞ!総務省が危機感

通信量拡大、消費者の実感少なく

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5Gでも消費者が分かりやすい料金プランが不可欠(5Gのスマートフォン画面)

総務省が、2019年10月に施行された改正電気通信事業法を検証する有識者会議「競争ルールの検証に関するワーキンググループ(WG)」を立ち上げた。改正法では携帯端末代金と通信料の完全分離を義務付け、端末値引きの上限を原則2万円に制限したが、携帯料金が下がったと実感する消費者は少ない。第5世代通信(5G)の商用化や新型コロナウイルス感染拡大の影響も踏まえつつ、今後の議論を深めていけるかが問われる。(取材・斎藤弘和)

「モバイル市場において多様なサービスが低廉な料金で提供される環境を整備することは、極めて重要な政策課題の一つ。改正電気通信事業法施行後の新たな課題について、検討をもう一段、ギアを上げて進める」。総務省の谷脇康彦総務審議官はWG開催の狙いをこう説明する。

【囲い込み是正】

従来、携帯通信大手各社へは厳しい視線が注がれてきた。菅義偉官房長官は18年8月、携帯電話料金について「4割程度下げる余地はある。競争が働いていないと言わざるを得ない」と述べている。業界関係者の間では、端末代金と通信料金が一体化していて消費者には分かりづらい、長期間の契約で拘束される、といった指摘も根強くあった。

改正法の施行に伴い、期間拘束のような過剰な囲い込みが是正されるなどして「競争環境の整備は前進した」(谷脇総務審議官)。だがその後、携帯通信大手3社が5Gサービスを商用化するなど、市場環境は変わりつつある。

実際、野村総合研究所の北俊一パートナーは21日の第1回WGで「5Gでは大手3社とも(データ通信が)使い放題の世界に突入したが、さまざまな条件がついている。よりシンプルで分かりやすい料金プランによる競争への移行を期待する」と発言。情報通信消費者ネットワークの長田三紀氏も「(正価からの)割り引きで安く見せている。通信料金自体が下がることを希望する」と述べた。

【通信量拡大】

ただ今後、WGでは新型コロナの影響を十分に踏まえる必要がありそうだ。例えば販売店の営業時間や業務範囲は縮小しており、実態調査を行いにくいと想定される。

また、テレワークや遠隔授業の増加で通信量は拡大傾向にある。明治大学の新美育文名誉教授は「利用者の要望が多様かつ高度になる。そういうものに応える競争ルールになっていけるかも含めて議論をしていきたい」と語る。

【ヒアリングも】

総務省は今後、通信事業者からのヒアリングなども経て、9―10月をめどにWGの成果の中間的な取りまとめをしたい考えだ。実効性のある政策の策定につながるか注目される。

日刊工業新聞2020年4月23日

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